症例集 「予防鍼」 よぼうはり |
予防鍼 よぼうはり |
患者さんからメールやお手紙をいただくことは多くありません。しかし、治療中に患者さんが何気なく発した言葉に勇気付けられたり、はっとさせられることはよくあります。 ■YMさん 39歳 女性 突発性難聴で5年前に来院され、現在は月に1度通院しておられます。 2月の末で巷ではインフルエンザが大流行していました。 「インフルエンザは大丈夫ですか?」 「それがね、自分でもびっくりしてるんですが、5年前に鍼治療を始めてからは1度もかぜを引いてないんですよ。前は予防接種をしても毎年のようにインフルエンザに罹っていたんですけどね。やはり免疫力がついたんでしょうか?」 「そうだと思いますよ。毎月の鍼治療で自律神経のバランスも整えられているはずですからね」 「ほんとに助かります。ここ2年ほどはインフルエンザの予防接種も止めてしまいました」 定期的に来院してくださる患者さんの中には、かぜを引かなくなったとおっしゃる人がかなりおられます。そういう話を聞くと、やはり定期的な鍼灸治療には予防効果があるのだなあと実感します。かぜのウイルスがやってきても免疫力のある人はウイルスをやっつけてしまいます。○○に対してはこの予防接種。となると、何種類もの予防接種が必要です。インフルエンザでさえ今ではA型B型合わせて4種類にもなります。ましてや普通のかぜは数知れないウイルスです。自然治癒力を発揮できればそれが1番です。 ■UKさん 48歳 主婦 5年前に自律神経失調症で来院されました。 そのときの症状は、頭痛・めまい・不眠症・身体のだるさ・食欲不振・そしてなにより何もやる気が出ず軽いうつ状態でした。 UKさんは最初内科に通院していて、いろいろな薬を飲んでいました。それでも症状は良くならず、内科の医師に心療内科へ行くようにと薦められたのだそうです。そんなとき当治療院のホームページを見て来院されました。 最近はとても元気になり、薬も全部止めてしまい、パートですが仕事も始めています。 調子が悪いと人は安静にしようとします。もちろん安静が必要な状態もあるとは思うのですが、私はできるだけ動くようにと指導します。私たちは動物なのです。動物は動かなくてはいけません。動けなくなったら、いいえ、動かなくなったらおしまいなのです。 「先生のお陰で今の私があると思ってるんですよ。あのとき、来院のたびに動きなさい!と言われたからこうやって元気になることができたんです。お医者さんはただ薬を出すだけで何も言ってくれませんから」 「毎月の通院で自律神経のバランスが整えられてるんですね」 ■KSさん 44歳 女性 主婦 KSさんはめまいと耳鳴で来院されました。しばらく耳鼻科に通院しておられましたが改善がみられず、友人に進められて来院しました。 どこが病気でも憂鬱になります。それが命に関わるようなことでなくても、長い間続くことで心も身体も疲弊してしまいます。 KSさんは3ヶ月の通院ですっかり元気になりました。 「先生、不思議ですね!実は私以前からちょっと食べ過ぎるとお腹を壊していたんです。それが最近は食事がおいしくてお腹も壊さなくなりました」 「それは良かったですね!鍼は身体全体を治療してますからね」 「自分は虚弱体質だと思い込んでたんですが、この鍼を続ければ普通の人のようになれるかもと思えるようになりました」 KSさんは今のところ隔週で通院しておられますが、最終的には月1回の通院でよいと考えています。 日本の医療は数時間待って数分治療です。患者さんはベルトコンベアーに乗せられているのと同じです。最新の医療機器を駆使して検査をしても何も見つからなければそれで終わりです。 (病は気から)という言葉もあります。薬を出す前にプラスになる一言をかけてあげたら余分な薬は飲まなくて済むと思うのですが。医療費の削減もできるのではないでしょうか? |