症例集   「ぎっくり腰」 ぎっくりごし
ぎっくり腰 ぎっくりごし
 ぎっくり腰はドイツ語で「魔女の一撃」と言われるほど激しい痛みを引き起こします。立つことや歩くことはおろか、寝返りもできなくなります。患者さんの中には、戸板に乗せられて来院される人もいて、痛みでトイレに行くことさえやっとということもあります。

KSさん 45歳 男性 宅配便の配達人
仕事中に重いものを持ったところ急に腰にぎくっときてそのまま動けなくなった。数人の同僚に担ぎこまれて来院。腰部全体が腫れあがりまさしくぎっくり腰の典型でした。
こういう場合、マッサージは絶対にいけません。ぎっくり腰で整体に行ってぎゅうぎゅうもまれて悪化してしまった患者さんを何人も治療したことがあります。その点、鍼は急性のぎっくり腰にも高い効き目があります。とにかく炎症を抑える鍼をして、家に着いたら冷シップをしてもらうことにして、コルセットを装着して帰宅してもらいました。鍼灸院では冷シップを処方することができないことが歯がゆいと思ってしまいます。
次の日に再び来院してもらい、時間をかけて鍼とマッサージを行いました。
KSさんの場合症状は激しかったのですが、数日でかなり楽になり、コルセットを装着して出勤することができました。前にもぎっくり腰になったことがあり、そのときには整形外科でいろいろ検査され、結局シップをもらって帰宅しただけだったそうです。

HMさん 女性 38歳 主婦
掃除機をかけていたら急に腰がぎくっとした。それでもその日は大したことがなかったので家のことをいろいろしてベッドに入ったとのこと。しかし翌朝腰痛で起き上がれなくなったとのことで近所の人に連れられて来院。近所の人は以前登院でぎっくり腰の治療をしたことがあって、すぐに連れてきたと話されました。
HMさんの場合は炎症はそれほどでもなく、鍼治療と軽いマッサージを施すことができました。帰りにはかなり楽になったとのことで、やはりコルセットを着けて帰宅してもらいました。
次の日に来院していただき、鍼とマッサージを行い違和感はあるもののかなり楽になって帰りました。

ぎっくり腰の予防
 ぎっくり腰は骨盤を支える筋肉が弱くなって起こります。1度ぎっくり腰を起こすと、また起きたらとの恐れから運動を控える人が多いようですが、脊柱起立筋、腹直筋、大腿四頭筋などをしっかり鍛えることが最大の予防です。毎日少しでも腹筋運動や、背筋運動、膝の曲げ伸ばしなどをして、再びぎっくり腰にならないよう予防しましょう。そして、重いものを持ち上げるときには、かがんで行うのではなく、膝を曲げて持ち上げるようにすることが大切です。
 痛みが軽減したら、体操を始めましょう。まずは腹筋運動です。膝を立ててお腹を見るように肩が少し浮くくらいでよいでしょう。次にやはり膝を立てたままおしりを持ち上げる運動です。いずれも無理をせずに少しずつ回数を増やしていきましょう。

ぎっくり腰の対処法
 とにかく安静にします。仰向けでも横向きでもかまいません。基本的に自分が楽だと思う姿勢でよいでしょう。横向きの場合には、膝を曲げて背中を少し丸めます。クッションなどを抱えると自然に丸まった姿勢に慣れるでしょう。仰向けの場合には、クッションを膝の下にはさむと楽に膝を曲げることができます。また、おしりが沈むような柔らかいベッドは避け、せんべい布団のような固めの寝具を選びます。数日は絶対安静です。この「数日の安静」が後の予後に大きく影響するのです。発症直後、特に腫れや熱感が強い場合には氷や例シップで冷やします。
 少し楽になって歩けるようになったら、コルセットで腰を支えます。コルセットを長い間着けると腰の筋肉が衰えてしまうという恐れはありますが、あまり早くはずしてしまい、再び痛みがぶり返してしまうこともあります。1日の中でコルセットの装着時間を少しずつ短くしていくようにすればよいでしょう。

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