患者さんの声   「VDT症候群」 ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん
VDT症候群 ブイ・ディー・ティーしょうこうぐん
 前回のコラムではVDT症候群について書かせていただきました。不景気が続き、人員削減のあおりを受け、労働者一人ひとりにかかる負担が大きくなることでますます目を酷使すせざるを得なくなりました。有休をうまく使いたくてもなかなか言い出せない雰囲気だったりなど、気がつくと単なる疲労からうつ病や自律神経失調症に移行してしまい、仕事を続けられなくなるのではとの不安で夜も眠れなくなってしまう人も少なくありません。長時間ディスプレに向かっていることで目の疲労はピークに達しています。睡眠が浅くなったり短くなることで疲労が積み重なってしまうのです。この項ではそのような患者さんからいただいたメールを紹介します。

■K.Hさん 57歳 男性 大手IT企業勤務
15年ほど前から通院なさっています。最初の数日は毎日、その後週2回、毎週の通院を経て現在は隔週で通院を続けておられます。
K.Hさんからのメール
15年前の私は最悪でした。最初は単なる疲労だと思っていたのですが、そのうちに会社に行くことそのものがいやでたまらなくなりました。3人の子育て真っ最中でこれからどうしていったらいいのか不安でいっぱいでした。眼科では眼精疲労によるドライアイとの診断で目薬を処方されました。心療内科ではうつ病と言われ抗鬱剤と睡眠薬をもらいました。しかし症状は一向に軽くならず、薬を飲むと頭がぼうっとして何も手につかない状態になりました。6ヶ月の休職をしていましたが、このままでは復職はおろか、日常生活もままならない状態でした。
そんなときたまたまとある席で高原先生と知り合いました。おしゃべりをしながら自分の症状を話してみました。そしたら鍼やマッサージはそんな人にこそ有効だとのお話をうかがい、早速試してみることにしたのです。実はそれまでにもあちこちの整体に通ってみていたので、あまり期待はしてなかったというのが本音でした。
最初の数日間の通院ではとにかく治療を受けた直後から身体がだるくなり1日うとうとして過ごす日が続きました。とにかく眠くて眠くて仕方なかったのです。睡眠薬はいらなくなりましたが、かえって症状が悪化したのではと心配になったほどです。
数日間そんな状態が続いた後、急に身体が軽くなりました。「ああ、なんだかいい気持ちだなあ」って感じでした。その後通院が週に1度になり、仕事にも復帰することができました。もちろん抗鬱剤も睡眠薬も必要なくなりました。
今私がこうして仕事を続けられているのは高原先生のおかげです。あのまま仕事ができなくなっていたら今頃我が家はどうなっていたことかと思い出すたびにぞうっとします。本当にありがとうございました。いくら感謝しても仕切れないほどです。
現在は隔週で通院していますが、これから退職するまでこのまま通院したいと思ってます。

K.Hさんに初めてお会いしたときにはずいぶん自信のない人なんだなあと思いました。最初は眼精疲労だったのでしょうが、疲労が積み重なることで身体も心もぼろぼろになっていたようです。会社に行きたくないというのは身体の悲鳴だったのでしょう。これ以上仕事を続けたらもう完全にダウンしてしまうことが分かっているからこそ防衛本能が働いたのだと思います。
身体全体の調節をした後に首と肩のこりを少しずつ取り去っていきました。頭にも酷いうっ血が診られ、治療をしながら相当に苦しいだろうなあと想像されました。
現在はとても元気になられ、仕事だけではなく地域の活性化のために活動しておられます。

■Y.Sさん 42歳 男性 会社員
5年ほど前から通院しておられます。最初は毎週でしたが、症状が軽くなったということで現在は隔週で通院しています。
Y.Sさんからのメール
 私は高原先生から治療を受けるようになって5年ほどになるでしょうか。それまでもあちこちの鍼灸やマッサージを受けていましたがいまいち満足できずに治療院ショッピングをしていたわけです。薬もたくさん飲みました。頭痛薬はもちろん、眠れないと言っては睡眠薬、仕事中にぼうっとするからカフェイン、病院では消炎鎮痛剤や筋肉弛緩剤、自律神経調整薬や抗鬱薬や睡眠薬など薬漬けの毎日でしたね。こんなに薬を飲んでも大丈夫かなあと不安でしたが、仕事しないといけないししかたなかったですね。今はたまに目薬を刺すくらいで問題なく仕事してます。
治療を止めたらまたあの薬漬けの毎日が始まると思うと鍼は止められません。まあ月に2回くらいなのでそれほど負担でもないしずっと続けるつもりです。

Y.Sさんの場合は薬を止めるまでに少し時間がかかりました。頭痛がしょっちゅう起こるとそれが不安で痛くなる前に薬を飲んでしまうからです。確かに痛くなってしまうと薬を飲んでもすぐには楽にならないのでどうしても飲みたくなってしまうのだと思います。しかし少しずつ薬を減らすことができ、今ではたまに眼科に通院する程度だとのことです。

VDT症候群は悪化すると治療が困難になります。症状が多岐にわたるためにいろいろな科を受診することになり、薬も増えてしまいます。最初は身体の症状だけですが、そのうちに精神的な症状も加わり鬱状態になってしまうことも少なくありません。長時間パソコン作業が続けば必ず眼精疲労になります。その段階で鍼治療を受けることができれば薬漬けになったり休職に陥ることは避けられるでしょう。

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