患者さんの声   「痙性斜頸(けいせいしゃけい、頸部ジストニア)」
痙性斜頸(けいせいしゃけい、頸部ジストニア)
 首や肩周りの筋肉が緊張状態になり、頭の位置に異常が生じることで、顔を正面に向けなくなったり、頭が前後左右に傾いたり、肩が上がったり、体がねじれたりするなど人によってさまざまな症状が現れます。軽症だと首や肩の痛みしか感じないこともあるので、肩こりと間違えてしまうことも多いです。また、頸椎に負担がかかるために骨や関節が変形してしまうことで、体を動かせる範囲が限られてしまうケースが多くみられます。痙性斜頸(頸部ジストニア)の症状はストレスで悪化する傾向があり、体のある部分を触ると症状が落ち着く「感覚トリック」がみられるケースも少なくありません。就寝中は症状が消失すると言われてますが、当院の患者さんでは、目覚めたときに異常な肩こりを感じると訴える人もいます。
 痙性斜頸(頸部ジストニア)は病気ではなく遺伝が関係している一次性ジストニアがほとんどですが、脳性麻痺や向精神薬などの薬による影響で発症する薬物性もあります。当院の患者さんにも向精神薬により痙性斜頸(頸部ジストニア)を発祥した人がおられます。
 西洋医学的にはボトックス注射が第1選択であり、効果が期待できないときには手術が行われます。筋電図を用いてどの筋肉の異常が主な原因となっているかを確認し、その筋肉を支配する神経を切断する「除神経術」を行ないます.手術を始めた外科医の名前をとってBartrandの手術と呼ばれています。
痙性斜頸(頸部ジストニア)の鍼治療
 鍼灸師の中には痙性斜頸治療などやったことがない人も数多いと思われます。当院では比較的多く痙性斜頸の患者さんを治療していると自負しています。
 電気治療と鍼を組み合わせて治療していますが、数年前に比べて治療成績が格段に向上しています。文献を調べてもあまり例がなく、ツボの選び方や電気治療の周波数などあれこれ模索しながらの治療が続きました。また、この人にはこの周波数が著効を得たと思っても、それがそのまま他の人に有効とは限らないなどまだまだ研究しなければと思っております。
 患者さんとは1時間近くも一緒に過ごすので、個人的な会話を交わすことも多くなります。痙性斜頸(頸部ジストニア)では患者さんもあちこちの病院や鍼灸院を回ってきた人も多く、そのときの様子なども聞くことができ、とても参考になります。当院へたどり着いたときの患者さんは一応に疲れきっていて疑心暗鬼に陥っていることも多く見受けられます。
 痙性斜頸(頸部ジストニア)の患者さんは痙性斜頸(頸部ジストニア)という診断が付くまでにいくつかの病院を回っていることもあります。また、鍼灸院や整体などで肩こりと診断されて治療を受け、症状が悪化してしまうことも見受けられます。鍼灸院の中には、痙性斜頸(頸部ジストニア)ってなんですか?という先生もいるそうで、勉強不足に呆れてしまいます。

患者さんとの会話の一部を紹介します。
■TMさん 42歳 女性 主婦
 ここにきてやっと何とかなると思えました。ボトックス駐車も最初は効いてましたが、そのうちに効果がなくなってしまい、医者にはもうどうすることもできないから大学病院で手術を受けるしかないといわれました。手術も怖いし、ネットで手術した人のブログなんかを見てもうまく行かなかった人もいるし、だめもとで鍼をやってみようかなと思ってきたんです。
■OSさん 38歳 女性 会社員
 今までもあちこちの鍼灸院へ行きました。中には痙性斜頸(頸部ジストニア)ってなんですか?と質問してくる鍼灸師もいたんですよ。ぎゅうぎゅうマッサージをされて、次の日痛くて動けなくなったこともありました。とある整体で施術を受けたら、次の日なぜか気分が悪くなって、会社にもいけなくなったこともありました。痙性斜頸(頸部ジストニア)のことを知っている鍼灸院にたどり着けてほんとうに良かったです。これで何とか成るかもと希望が見えてきました。
■SKさん 52歳 男性 公務員
 最近なんとかまっすぐ前を向けるようになりました。今までどうしても首が右に傾いてしまって食事を摂るのも大変だったんです。何度仕事を止めようかと思いました。ずっと治療しなければならないとしても、これで何とか定年まで勤められるかもと思えるようになりました。

 肩こりや腰痛の患者さんは何千人も治療してきました。ですからちょっと診察しただけで治療方針が決まります。しかし、痙性斜頸(頸部ジストニア)では治療方針を決定するまでに時間がかかることも多く、数回の治療では全く効果を出せないこともあります。現在当院で治療をされている患者さんは、そんな私の治療に根気強く付き合ってくださった患者さんです。最初の治療ではツボや電気鍼の周波数が決められないとしても、2度目からはその患者さんに合った適切な治療ができるように努力したいと思っております。

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