症例集   「頭痛」 づつう
頭痛 づつう
 頭痛は誰もが経験する身近な症状です。 総合診療外来を訪れる患者さんの主訴の中でもっとも多いものの一つだそうです。風邪やその他の病気の1症状として、二日酔いや徹夜のとき、そして勉強やパソコンなどで目が疲れたときなど、誰もが日常的に頭痛を経験しています。また、仕事や家庭のトラブルなどの精神的ストレスでも頭痛は起こります。頭が痛くなると、多くの人はまた偏頭痛が起きたと思ってしまうようです。しかし、頭痛のほとんどは緊張型頭痛なのです。
 テレビでも頭痛薬のCMは頻繁に流されます。胃にやさしい頭痛薬とか、身体にやさしい頭痛薬などといわれると、一般の人は何も考えずに頭痛薬を飲んでしまいます。しかし、この頭痛薬が原因で更なる頭痛が起こるのです。これを「薬物乱用頭痛」といいます。それではどれ程の服用頻度から注意が必要になるのでしょうか?月に十日から15日も頭痛薬を手放せないという人は要注意です。
 それではなぜ頭痛を治すための鎮痛剤でさらなる頭痛が起こるのでしょうか?緊張型頭痛や片頭痛などのつらい頭痛を何度か経験すると、予防のため、早めに服用するようになる。それを繰り返していると、脳が痛みに対して敏感に反応して頭痛が悪化し、その頭痛に対してさらに頭痛薬を飲む。このようなサイクルが「薬物乱用頭痛」を生み出していると考えられているのです。

■USさん 39歳 男性 会社員
就職したころから頭痛が始まり、ほとんど毎日頭痛薬を飲んでいた。薬を飲むと普通に会社に行けるので別に気にしたことはなかったが、先日テレビで薬物乱用頭痛のことを見て心配になった。頭痛専門外来への受信も考えたが、ネットでいろいろ調べていて来院したとの琴でした。
問診してみると、たまに寝つきも良くないし、目が疲れているのか痛みを感じることもあるそうで、緊張型頭痛と判断しました。
まず、いつものように脈新をし、ゆっくり脈の調整を行います。ときには腹診を行うこともあります。お腹は無関係と思われるかもしれませんが、硬いしこりを見つけることもあるのです。その後うつぶせになっていただき、首から肩、背中の状態を診ていきます。緊張型頭痛の患者さんは首から肩にかけて板のようにガチガチになっているものです。とにかくこのコリをとらないことにはどうにもなりません。この板のようなコリはゆっくり時間をかけてとる必要があります。ですから最初は鍼と軽いマッサージだけにします。数日後に来院していただくことにして1回目の治療を終えました。
3日後に2回目の治療をしました。1回目の治療後になぜか疲れを感じてしまい、その日は早めに就寝したとのことでしたが、夢も水にぐっすり眠ることができ、次の日は頭痛薬は飲まずに済ませることができたようでした。ただ、残念ながら来院時には少し頭痛がするとのことで、基本的には1回目と同じような治療を行いました。首や肩は相変わらずガチガチです。今回は少し時間をかけて首と肩のマッサージをして終了しました。
その後週1回の治療を行いましたが、5回目あたりから頭痛薬なしでも過ごせるようになってきました。現在はたまに疲れたときに来院しておられますが、頭痛薬はほとんど飲まなくなったようです。

■頭痛の予防
ここでは緊張型頭痛の予防について述べます。
緊張型頭痛は、ストレスが原因です。自分ではストレスに気がつかなくても、身体はしっかりストレスを認識して反応します。ですから、身体的および精神的ストレスを取り除くことが大切になります。といってもなかなか難しいですね。
次に首や肩のコリが頭痛の原因になるので、柔軟体操やストレッチで首や肩のコリをとるようにしましょう。また、首や肩の筋肉を鍛えることも大切です。体操や水泳など自分に合った運動を見つけましょう。
枕の高さもポイントです。高すぎる枕は首に負担をかけるので、自分に合った高さの枕に替えましょう。
正しい姿勢をとるように心がけ、長時間同じ姿勢や前かがみ、うつむきなどの無理な姿勢を取らないように気をつけましょう。
入浴は筋肉のコリをほぐし、ストレス解消にもなります。ぬる目のお風呂でゆったりした時間を過ごしましょう
そして、どうしても頭痛が続くときには鍼やマッサージで首や肩のコリを取り去り、薬物乱用頭痛にならないようにしましょう。

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