症例集   「坐骨神経痛2」 ざこつしんけいつう2
坐骨神経痛2 ざこつしんけいつう2
 腰から足にかけて激痛が走り、ひどいときには歩くこともできなくなるのが坐骨神経痛です。以前は中年以降の病気でしたが、最近では20代、30代の人にも多く診られるようになりました。働き盛りの人の場合、痛みが長く続くと「もしかして働けなくなるのでは?」との不安で精神的にも落ち込んでしまいます。
 坐骨神経痛は病名ではありません。おしりから脚の後面にかけて鋭い痛みが走る症状のことです。 坐骨神経は末梢神経のなかで最も太く長い神経で、その経路は腰椎から出て、おしりから大腿後面を下降し、膝の裏で二つに分かれます。そのどこかで圧迫や炎症があると痛みが出るわけです。ひどくなると痺れや感覚麻痺を伴うこともあり、天気の悪い日や、冷えたときなどに悪化する傾向があります。

■SYさん 女性 35歳 介護師
介護では仕事は中腰で行われることが多く、かなりの方が腰痛や坐骨神経痛に悩まされています。
SYさんの場合も整形外科でのレントゲンでは特に問題はないとのことで、消炎鎮痛剤とシップ薬をもらって帰ってきました。レントゲン上で特に問題がないといわれてもかなりの痛みがあります。仕事でも利用者さんを車椅子に移したりなど痛みで一瞬動きが止まりそうに成ることもあるとのこと、仕事を変えようかとさえ思いはじめていたそうです。
そんなとき当院で坐骨神経痛の治療を受けた同僚に進められて来院されました。
若い患者さんの場合は疼痛が激しいことが多いのですが、治療効果もすぐに現れるのが特徴です。SYさんの場合も来院時には右脚をかばいながらまるで高齢者のようにおぼつかない足取りでしたが、帰りにはにこにこしながら普通に歩いておられました。
そうなんです。若い患者さんでは1度か2度の鍼治療で完全に治ってしまうことも多いのです。SYさんも2度の治療で全く痛みがなくなってしまいました。
こういう患者さんの場合は「これが痛みの原因だ」とすぐに分かるポイントがあります。そこを集中的に治療することでみるみる良くなっていくのです。
このポイントをトリガーポイント「痛みをおこす引き金になると考えられている点」といいます。首や肩、背中や腰、お尻などの筋肉は、疲労や血行不良などがつづくとロープ状に強く緊張して硬いこわばりができます。その中でもとくに硬く痛みを発するしこりがトリガーポイントです。
もちろん最初にすることは患者さんの全体を把握することです。脈診をして、東洋医学的な診断をします。その上で先ほどのトリガーポイントの治療をするわけです。

■IMさん 41歳 女性 看護師
IMさんも同僚の看護師さんから紹介されて来院されました。数年来坐骨神経痛に悩まされており、整形外科で消炎鎮痛剤とシップ薬をもらいしのいでいたそうです。少し無理をするとすぐに痛みがぶり返すのですが、やはりレントゲンを撮ってもMRIをしてもどこにも問題がないといわれたそうです。
中腰姿勢になる仕事は多いものです。その方たちは多かれ少なかれ腰痛や坐骨神経痛を持っているようです。長時間立ちっぱなしでいたり、中腰や前かがみの姿勢をとっていると、脊柱起立筋や大腰筋などに特に負担がかかり、酷使されることで縮んだまま伸びにくくなったり、筋肉が傷ついて炎症を起こしてしまうのです。
IMさんの場合も仕事で中腰姿勢になることが多く、筋肉疲労が起こり、硬くなった筋肉が坐骨神経を圧迫して神経痛が起きたと考えられます。
そういう神経痛は症状が辛いわりには案外早く治ります。IMさんの場合も2度の鍼とマッサージで全く痛みがなくなりました。

中腰姿勢をとらなければならない職業は多いものです。介護師、看護師、そして鍼灸師もまた中腰姿勢をとる仕事です。体操などをして筋肉を鍛えることで腰痛や坐骨神経痛を防ぎたいものです。
しかし、どうしても痛みが取れないときにはぜひ1度鍼治療を試してみてはいかがでしょう。きっと驚くほどの効果を実感できるでしょう。

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