症例集 「耳鳴りと難聴 みみなりとなんちょう 」 |
耳鳴りと難聴 みみなりとなんちょう |
50歳過ぎごろから、耳鳴りと難聴で耳鼻科に受信するケースが増えてきます。ステロイドや血液循環改善薬の治療で治ってしまう人もいますが、なかなか思うような結果が出せないことも多いようです。 そんなとき耳鼻科の医師から「もう歳なんだからどうにもならないね」と言われてしまう人もいて、そんなときにはもう一生聴こえ難い状態が続くのかとすっかり落ち込んでしまうことでしょう。耳鼻科の医師はどうしてそんなにも簡単に投げ出してしまうのでしょうか? もうちょっと優しい言葉をかけてあげられないのでしょうか? ほんとうにもうどうにもならないのでしょうか? 確かに耳の治療は時間との戦いかもしれません。しかし、実際当治療院の実績から私はまだまだ治る可能性があると考えています。 ■UYさん 66歳 女性 主婦 半年ほど前から耳鳴りが始まり、近くの耳鼻科に通院している。自分では気づいてなかったが、聴力検査をしたところ、聴力がかなり低下しているとのこと、すぐにステロイドの治療が始まった。そのころからめまいも起きるようになり、利尿作用のある薬が追加された。夜は耳鳴りが気になって眠れなくなり、睡眠導入剤ももらうようになった。 1クールのステロイド療法の終了後に聴力検査を行ったところ、全く改善が見られないということで、再びステロイドの治療をすることになった。しかしそのときの耳鼻科の医師の言葉が彼女の心をすっかりなえさせてしまったのです。 「このステロイドでも治らなかったらもうどうにもならないね。まあ歳も歳なんだから諦めてもらうしかないね。もっと聴こえなくなることもあるかもね」と言ったのです。ああ、自分はこれから一生この耳鳴りと難聴が続くのかと思っただけで人生が終わってしまったように感じたそうです。 耳鼻科の医師にしてみれば全く耳が聴こえないわけじゃなし、耳鳴りにしてもそのうちに成れてしまうだろうとの気楽な言葉だったのかもしれません。それに毎日毎日そのような症状の患者さんを診ていれば感情が麻痺してしまっても仕方ないことなのかもしれません。しかし患者さんは一人ひとりがそのときには必死です。頭の中は耳鳴りと難聴のことでいっぱいなのです。 UYさんは当治療院のホームページを見つけました。そして鍼治療と、「大丈夫ですよ。必ず治りますよ」の言葉を聞くことができたのです。まだ治療を始める前にUYさんは涙を流しておられました。 そして治療が始まりました。最初は週2回の通院です。耳鳴りとめまいが続いている間は趣味の太極拳もお休みしてもらうことにしました。水泳もやっておられるとのことでしたが、これもしばらくはお休みです。 UYさんはどんどん元気になっていきました。耳鳴りもあまり気にならなくなりました。そして何よりあっという間に聴力が戻ったのです。 その後週1回の通院を2ヶ月ほどしてもらい、現在は月に1度の通院を続けておられます。 もちろん鍼治療の効果です。しかし、まず耳鼻科の医師の何気ない言葉が耳鳴りやめまいを悪化させたのではと思います。治療は薬物療法だけではないはずです。ちょっとした言葉で患者さんは傷つき症状を悪化させてしまうのです。 ■TKさん 62歳 女性 主婦 TKさんの場合はUYさんとはかなり違います。TKさんは以前から当治療院で坐骨神経痛などの治療をしておられました。2年ほど通院がないので身体の調子が良いのだろうとすっかり忘れていました。 ところが昨年の10月にまた坐骨神経痛が出たということで電話がかかってきました。そのときの会話があまりスムーズではありません。とりあえず予約の日に来院してもらいました。 いつものように坐骨神経痛の治療を始めたのですが、やはり会話がぎくしゃくします。失礼かなとは思ったのですが聴こえについて質問してみました。そうしたら片方の耳がひどい耳鳴りになり、その後難聴になってしまったというのです。 TKさんは豪快というか、いろんなことがあまり気にならないのか難聴についてもあっけらかんと話します。ステロイド治療をしたときにも2・3回飲んでも治らなかったから途中で勝手に止めてしまったというのです。これはよくありません。薬によっては勝手に止めてもどうってことがないものもありますが、プレドニンなどのステロイドは決して勝手に止めてはいけません。とにかくTKさんはそれきり耳鼻科への通院を止めてしまったのです。 それから1年以上が経つというのです。とりあえず説得して鍼治療を始めました。TKさんはせっかちです。早く結果を出さないと治療そのものを止めてしまいます。坐骨神経痛の治療と同時進行で週2回通院してもらうことにしました。 数回目あたりから耳鳴りが楽になってきたとのことで、とりあえず治療効果が見えてきました。その後週1回の治療を続け、すっかり治ってしまいました。 TKさんの坐骨神経痛ですが、数回の治療ですぐに治ってしまうのが特徴です。 病院で処方された薬は必ず医師の指示通りに飲むようにしましょう。といっても、その医師がちゃんと薬の説明をしてくれないことが困り物ですけれど。まあそれでも最近は薬剤師がきちんと薬の説明をするようになってますが、せっかくのその説明を患者さんは聞いていないのかもしれません。人は自分が聞きたい言葉だけを聞いているのだなあとつくづく感じます。 |