ここが知りたい健康情報   「緊張型頭痛」 きんちょうがたずつう 
緊張型頭痛 きんちょうがたずつう 

 頭痛は誰もが経験する身近な症状です。 総合診療外来を訪れる患者さんの主訴の中でもっとも多いものの一つだそうです。風邪やその他の病気の1症状として、二日酔いや徹夜のとき、そして勉強やパソコンなどで目が疲れたときなど、誰もが日常的に頭痛を経験しています。また、仕事や家庭のトラブルなどの精神的ストレスでも頭痛は起こります。頭が痛くなると、多くの人はまた偏頭痛が起きたと思ってしまうようです。しかし、頭痛のほとんどは緊張型頭痛なのです。
 テレビでも頭痛薬のCMは頻繁に流されます。胃にやさしい頭痛薬とか、身体にやさしい頭痛薬などといわれると、一般の人は何も考えずに頭痛薬を飲んでしまいます。しかし、頻繁に頭痛薬を服用することで繰り返される頭痛もあるので気をつけましょう。(薬物乱用頭痛参照)
そしてここで問題にしたい頭痛は理由もないのにしょっちゅう繰り返される頭痛です。上にも述べたようにたいていの人は頭痛が始まると「また偏頭痛になっちゃった」と思って頭痛薬を飲んでいるのではないでしょうか?けれどその頭痛は本当に偏頭痛でしょうか?健康情報の頭痛の項を読んでいただければお分かりだと思いますが、偏頭痛は頭の片側が(両側のこともあります)脈打つようにズキンズキンと痛むのが特徴で、吐き気や実際に吐いてしまうこともあり、強い光や大きな音、不快なにおいで頭痛が強まることもあります。また、たいていは頭痛の前駆症状として、目の前にチカチカと光が見えたり、星が見えたりする(閃輝暗点)が起こることが多いようです。
 頭痛で来院された場合「しょっちゅう偏頭痛が起きて頭痛薬を飲んでいるんですが最近は薬が効かなくなっちゃったんです」と訴える方がいます。ほとんど毎日薬を服用している人や月の半分は頭痛薬を飲んでいるという人もいて、これでは薬物依存性頭痛になってもおかしくないと驚いてしまいます。
 頭痛イコール偏頭痛と決め付けるのは止めましょう。当院の頭痛患者さんのほとんどは筋緊張性頭痛です。筋緊張性頭痛の特徴は左右両側のこめかみ部分や後頭部がズーンと痛み、目の疲れや肩こりを訴えることもあります。頭痛薬を飲んでも楽にならないために薬の量が増えてしまいます。
以前はパソコン作業により筋緊張型頭痛になる人が多かったのですが、最近は子どもも高齢者も若者も下を向いてスマートホンを操作しています。そうなると首や肩がこってきます。目も疲れてしまいます。ということで、筋緊張性頭痛が増えてしまいました。

緊張型頭痛の鍼治療
 緊張型頭痛の患者さんは首や肩がこっています。というより、首や肩がこることで緊張型頭痛を起こしてしまうのです。ですから緊張型頭痛は鍼やマッサージで驚くほど楽になります。首や肩のこりの原因が肉体疲労や目の疲れだとしてもやはり頭痛として現れることが多いので、首や肩のこりを取り去るだけで頭痛が楽になるのです。
緊張型頭痛で来院された場合、当治療院では12経絡の虚実と、自律神経の状態を診察する目的で脈診を行います。脈診は手首の動脈に両手の3本の指(人差し指・中指・薬指)を当てて行います。私たちの身体には「経絡(線路)」という「気(エネルギー)」の通り道があり、その経絡を結んでいるのが「ツボ(駅)」です。「気」は「血」を動かす原動力でもあり、気が滞れば血も滞るので、ツボを刺激することによって気血の流れをスムーズにし、12経絡の調整を行います。現代医学的に言うと、自律神経・ホルモン・免疫の調整、血液循環改善、自然治癒力を取り戻す目的で刺鍼するわけです。
 次に、首や肩、背中のこりを取り去ることを目的に鍼と丁寧なマッサージを行います。この治療により頭痛だけではなく、目の疲れやその他の症状も楽になります。
首や肩の凝りは自律神経失調症やうつ病などでも起こります。 当治療院ではBGMも工夫しています。「1/fのゆらぎ」というのをご存知でしょうか?これは自然界に存在するリズムで、繰り返し聴こえる波の音や川のせせらぎ、滝の音や風のそよぎなどで、自然界の音にはリラクゼーション効果があるというのです。この「1/fのゆらぎ」は私たちの身体と、自然界に共通する基本のリズムなのです。「1/fのゆらぎ」のBGMを聴きながらの鍼・マッサージ治療は、本来私たちが持っている自然のリズムを取り戻し、リラックスしたときや集中力が高まったときに現れる脳波である「α波」も多く出現させることができます。
 緊張型頭痛は、ストレスが原因です。自分ではストレスに気がつかなくても、身体はしっかりストレスを認識して反応します。ですから、身体的および精神的ストレスを取り除くことが大切になります。といってもなかなか難しいですね。
次に首や肩のコリが頭痛の原因になるので、柔軟体操やストレッチで首や肩のコリをとるようにしましょう。また、首や肩の筋肉を鍛えることも大切です。体操や水泳など自分に合った運動を見つけましょう。
枕の高さもポイントです。高すぎる枕は首に負担をかけるので、自分に合った高さの枕に替えましょう。
正しい姿勢をとるように心がけ、長時間同じ姿勢や前かがみ、うつむきなどの無理な姿勢を取らないように気をつけましょう。
入浴は筋肉のコリをほぐし、ストレス解消にもなります。ぬる目のお風呂でゆったりした時間を過ごしましょう
そして、どうしても頭痛が続くときには鍼やマッサージで首や肩のコリを取り去り、薬物乱用頭痛にならないようにしましょう。

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