ここが知りたい健康情報   「腰痛」 ようつう
腰痛 ようつう
 鍼やマッサージの治療院を受診する患者さんの半数以上は腰痛を訴えての来院です。膝や足首の痛みや坐骨神経痛、全身疲労や肩こりでも腰部を診察すると痛みがある人もいて、総合すると8割ほどにもなります。つまり、当治療院に来院される患者さんのほとんどが肩こりや腰痛を主訴にしているということになります。肩こり腰痛Q&Aでも述べたように、重力に逆らい、2本足歩行を始めた我々人類にとって、腰痛は宿命ともいえるようです。椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、ぎっくり腰などはそれぞれのコラムを参考にしていただくとして、ここではそれ以外の腰痛を記述します。

■原因
 まず、もっとも多いのは 腹筋・背筋の筋力低下です。立っているときでも、座っているときでも、重い上半身を垂直に保つために腰には大きな負担がかかっているのです。腹筋や背筋が弱いと上半身を垂直に保つことが困難になり姿勢が悪くなります。また、妊婦さんなどお腹の出ている人では上半身を垂直に保つために腰部により負担がかかり、やはり腰痛になることも多いのです。椅子に浅く腰掛けたり、前かがみになって歩いたり、私たちは知らず知らずのうちに腰に負担をかけてしまっているのです。
 他に、腰椎の変形や関節の炎症などの加齢によるもの。婦人科疾患や泌尿器の異常など内臓疾患によるもの。下半身の冷え、かかとの高いハイヒールなども腰痛の原因になります。
また、最近では仕事の大部分がパソコンを使っての作業になってしまい、1日中椅子に座っていることが多く、腰部への負担増から若い人の腰痛も増えてきました。

■治療
 腰痛で整形外科に行くと、レントゲンやMRIなどの検査が行われます。そこで椎間板ヘルニアなど器質的疾患が認められるにしろ、特に異常が見つからないにしろ、整形外科ではシップ薬や消炎鎮痛剤などを処方されることになります。ときに神経ブロック注射が行われたり、椎間板ヘルニアのレーザー手術が行われるようになりましたが、レーザー手術には保険が利かないため、数十万の出費を余儀なくされ、それで直ればよいのですが、残念ながら期待したほどの効果が得られていないようです。

■鍼治療
 腰痛は鍼やマッサージの得意分野です。特に原因が見つからないものでも、内臓性のものでも驚くほど楽になります。
 腰部に明らかな硬結や圧痛が見とめられる場合にはそこを中心に鍼やマッサージを行います。その後背中全体の筋肉をほぐすことで全体のバランスをとります。内臓性の腰痛の場合には、その内臓に関連するツボに圧痛や硬結が見とめられるので(関連痛)そこに鍼をすることで内臓に関わる諸症状も楽になります。
 腰痛は腰そのものが悪いとは限りません。先にも述べたように内臓性の腰痛や全身疲労からも起こります。脈診により12経絡の虚実を見極め、腰痛の真の原因をしっかり把握して治療することが必要です。

■予防
 できるだけ姿勢を良くし、椅子には深く腰掛けるようにします。腹筋や背筋、特に大腰筋を鍛える体操をしましょう。冷えを避けるためにクーラーの冷気に直接当たらないようにすることも大切です。その他、靴は足に合った歩きやすいものにします。また、腰痛が続くときには寝具を見直してみるのもよいでしょう。近ごろは腰痛予防のマットレスなどいろいろなものが販売されていますので、お店の人に相談してみるのも一つです。
 次にコルセットですが、整形外科ではとてもしっかりしたコルセットが処方されています。これは腰痛にはとても効果があり、動けないほどひどいときには欠かせないものです。しかし、ある程度楽になると、コルセットをしたまま家事や仕事をしたいと思うはずです。そんなときあまりにしっかりしたコルセットでは動くことができません。また、コルセットが分厚いとウエストサイズがアップしてしまうのも女性にはいやなものです。当治療院のコルセットはそんな悩みを解決した薄くて軽くてしっかり腰椎を支えてくれるコルセットです。軽い腰痛ならこのコルセットだけでも楽になるでしょう。ただし、腰痛が楽になった後もコルセットで支えることはいけません。ぎっくり腰の項でも書きましたが、1日の中でコルセットの装着時間を少しずつ短くしていくようにすればよいでしょう。

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