ここが知りたい健康情報 「薬物乱用頭痛」 やくぶつらんようづつう |
薬物乱用頭痛 やくぶつらんようづつう |
頭が痛いからといって毎日のように頭痛薬を飲んでいると、かえって症状をこじらせることがあるのをご存知ですか?頭痛薬を月に10日以上飲んでいる場合には「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」に陥っている可能性があるのです。もともと片頭痛や緊張型頭痛などの頭痛持ちの人が、頭痛薬の飲み過ぎにより、かえって毎日頭痛が起こるようになった状態を「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」といいます。市販鎮痛薬の飲み過ぎによるものが多いのですが、医師から処方された薬によっても起こることがあるのです。 それでは、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)はどのようにして起こるのでしょうか? ひどい頭痛をたびたび経験すると、頭痛発作への不安から鎮痛薬を予防的に服用するようになり、飲む回数や量が増えていきます。すると次第に、脳が痛みに敏感になり、頭痛の回数が増え、薬も効きにくくなってくるという悪循環に陥ってしまうのです。現代社会は忙しく、頭痛のたびに仕事を休むことは許されません。その結果、頭痛薬を飲む頻度が増えてしまいます。 テレビでも頭痛薬のCMは頻繁に流されます。胃にやさしい頭痛薬とか、身体にやさしい頭痛薬などといわれると、一般の人は何も考えずに頭痛薬を飲んでしまいます。しかし、この頭痛薬が原因で更なる頭痛が起こるのです。 「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」は一度なってしまうと比較的再発しやすいので、日頃から頭痛薬を飲み過ぎないことが重要です。 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)にならないためにも、次のようなことを心がけましょう。 頭痛薬の使用は服用回数を守りましょう。月に10日以内に。 市販の鎮痛薬を予防的に飲むのは避けましょう。 主成分が単一の鎮痛薬を選びましょう。主成分が複数配合されているものやカフェイン(無水カフェインもしくはカフェイン水和物)が含まれているものには注意しましょう。 ほかに薬を飲んでいる場合は医師に伝えましょう。 頭痛ダイアリー」をつける習慣をつけましょう。 どうしても改善されない場合には、1度頭痛外来などで相談してみましょう。 ■薬物乱用頭痛の鍼治療 頭痛で薬を飲んでいる人は偏頭痛か緊張性頭痛です。両者は真逆の頭痛といってもいいでしょう。しかし、そのどちらにも鍼治療は効果があります。 偏頭痛も緊張性頭痛も元は自律神経の乱れです。しっかり脈診を行い、丁寧に調節すること。その後首や肩、背中のトリガーポイントに鍼を行うことで、偏頭痛も緊張性頭痛も楽になります。 ■偏頭痛の予防 片頭痛の予防療法は、片頭痛発作が月に2回以上(あるいは月に6日以上)ある場合、また、急性期治療薬だけでは日常生活に支障が残る場合などに勧められます。 予防薬の効果があるかどうかの判断には少なくとも2ヵ月はかかります。頭痛がないからといって途中でやめたりせず、指示通り毎日飲み続けましょう。また、注意しなければならないのは、予防薬は頭痛発作の回数を減らしたり、発作時の痛みの程度を軽くするもので、完全に頭痛が起こらなくなるわけではないということです。 通常3〜6ヵ月は治療を継続し、片頭痛発作の回数や程度が軽くなり効果がみられたら、医師と相談の上、徐々に減らしていき、可能であれば中止します。 ■日常生活のセルフケア 日常生活においては、頭痛の誘因を避けることが大切です。片頭痛は、過労やストレスによって起こりやすくなります。とくに、責任の重い仕事をこなした後や大きな悩みから解放された後など、それまで過度の緊張で収縮していた血管が拡張し、頭痛発作が起こるケースが多いようです。日頃からストレスをため込まないようにすることが大切です。また、空腹や寝不足、寝過ぎも、片頭痛が起こりやすくなります。休日も朝寝坊せず、規則正しい生活を送ることを心がけましょう。 まぶしい場所や騒音でも、片頭痛が誘発されることがあります。日ざしの強いところではサングラスをかけ、混雑時を避けて外出するといったように、光や音、においなどの刺激をできるだけ回避するようにしましょう。 ■緊張性頭痛の予防 緊張性頭痛は、ストレスが原因です。自分ではストレスに気がつかなくても、身体はしっかりストレスを認識して反応します。ですから、身体的および精神的ストレスを取り除くことが大切になります。といってもなかなか難しいですね。 次に首や肩のコリが頭痛の原因になるので、柔軟体操やストレッチで首や肩のコリをとるようにしましょう。また、首や肩の筋肉を鍛えることも大切です。体操や水泳など自分に合った運動を見つけましょう。 枕の高さもポイントです。高すぎる枕は首に負担をかけるので、自分に合った高さの枕に替えましょう。 正しい姿勢をとるように心がけ、長時間同じ姿勢や前かがみ、うつむきなどの無理な姿勢を取らないように気をつけましょう。 入浴は筋肉のコリをほぐし、ストレス解消にもなります。ぬる目のお風呂でゆったりした時間を過ごしましょう そして、どうしても頭痛が続くときには鍼やマッサージで首や肩のコリを取り去り、薬物乱用頭痛になるのを防ぎましょう。薬物乱用頭痛では脳梗塞の発症率が4倍とのことです。ちょっと怖いとは思いませんか? |