ここが知りたい健康情報   「手のしびれ」
手のしびれ
 手にしびれを感じることは案外多いものです。長電話や寝ながらの読書でも手はしびれます。これは同じ姿勢を続けることで一時的に血液循環が悪くなったり、やはり一時的に神経が圧迫されたりして起こります。長い間正座をしていて足がしびれるのと同じことです。しかし毎日手がしびれたり、朝起きたときに手のしびれが強かったり、手の筋肉が痩せてくるようなら何か病気が潜んでいると考えるべきです。

1.手根管症候群 (しゅこんかんしょうこうぐん Carpal tunnel syndrome CTS)
 日本ではあまり聞かれない病名ですが、アメリカでは(carpal tunnel syndrome CTS)と表記され、ごく一般的な病名です。手根管症候群は圧倒的に女性に多く、患者数は男性の5倍とも言われています。手のひらの付け根にある手根管というトンネルの中には、親指・人差し指・中指・薬指の半分の知覚と、親指の付け根の筋肉を支配する正中神経と、屈筋腱を動かす9本の腱が通っています。この正中神経が何らかの原因により傷害されると痛みやしびれが現れます。これを「手根管症候群」と言います。

症状
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 手のひら側の親指・人差し指・中指・薬指の中指側のしびれや痛みが起こります。夜間痛に悩まされることも多く、手を上に挙げたり、振ったり曲げ伸ばしをすることで痛みが和らぐようです。その他、手指の感覚が無くなったり、こわばりを感じることもあります。病気が慢性化するにしたがい、痛みは少なくなりしびれが残ります。
⊃道悗良佞浦の筋肉の萎縮
 進行すると親指の筋肉が萎縮してしまい、親指と人差し指できれいな丸が作れなくなるために細かい作業がしずらくなります。

診断
 手のひら側の親指から薬指の中指側半分のしびれ、親指の付け根の筋肉の萎縮があればほぼ手根管症候群と診断がつきます。その他チネル徴候(手のひらの付け根を叩いて痛みやしびれが指先に響くかどうか)、ファーレンテスト(両手の甲をくっつけて痛みやしびれが悪化するか)、その他確定診断のために電気生理学的検査を行うこともあります。

2.脳卒中による手のしびれ
 脳卒中による手のしびれの特徴は、手口感覚症候群として現れます。 脳から全身へ指令を出す中継地点を視床と言い、視覚や聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳新皮質へ中継する役割があります。その視床に小さな出血が起こると手口感覚症候群として現れるのです。視床出血は脳出血の中で2番目に多く、全体の約30%ぐらいを占めています。手口感覚症候群は、小さな出血や梗塞が原因であり、日常生活に大きな支障はありませんが、この小さな出血や梗塞のサインを見逃してしまうとその後、大きな出血が起きる可能性が高いと考えられるので直ちに医療機関を受診しましょう。

3.頚椎症
 頚椎症とは、脊柱の上の首の部分の7つの背骨(頚椎)と椎間板が変形・変性をきたした病気の総称です。
脊柱のうち頭蓋骨を支える首の部分の7つの背骨を頚椎と言い、一番上の頚椎(第1頚椎)は頭蓋骨の球状の底を受けるドーナッツ型をしており、環椎とも呼びます。第2頚椎は第1頚椎の環の内側に支えを伸ばした構造で軸椎と呼びます。第1頚椎と第2頚椎が首を左右に回す動きを担当します。 第3〜第7頚椎は標準の背骨の形です。第1〜第7頚椎全体で前後や左右に曲げる動きを分担します。
 頚椎の中を脊髄が通っていて、脊髄は頚椎1つごとに枝分かれして頚神経となり、椎間孔を通って外にでると腕神経叢とよぶ中継所で行き先別に再編成されます。 頚神経は頭蓋骨と第1頚椎の間の第1神経根から、第7頚椎の下側から出る第8頚神経根まで8本です。このうち上方の神経根は後頭部や頚部を担当し、中ほどでは肩甲骨や肩付近を、下方では橈骨神経・正中神経・尺骨神経など手を担当します。
(儼狙頚椎症
 力仕事やスポーツ、姿勢不良や小さな外傷の積み重ね、加齢による変化としての頚椎の変形、椎間板の変性や破綻が頚部の痛みやこり、運動制限など頚部の何らかの症状として現れた状態です。首から肩にかけてのこりや手のしびれが出ます。
頚椎症性神経根症
 脊髄の運動神経と知覚神経が集まっているところを「神経根」と言います。この神経根の周りが腫れたり、引抜きのような損傷が起こると、それぞれの神経支配領域に、痛みやしびれ、運動障害が起こります。 上を向くと痛みが走る、右に傾けるとひびくなど頚椎の動きで症状が変化します。頭を押さえると椎間孔が上下に狭くなり痛みが再現されます。

■手のしびれに対する鍼治療
 脳卒中によると思われる場合には直ちに西洋医学的処置が必要です。鍼灸やマッサージの適応は頚椎症と手根幹症候群です。
 手根管症候群には鍼やマッサージがとても有効です。原因がホルモンの乱れでも、手の使いすぎでも、全身調整を目的として行う脈診による治療が効果を発揮します。その後肩から腕、前腕から指にかけての鍼、丁寧なマッサージで驚くほど楽になります。また発赤や痛みを取り去るために、皮膚鍼(皮膚を鍼でちょんちょんとつつく手法)や刺絡鍼(三稜鍼という特殊鍼を使って瀉血(しゃけつ)を行うことも有効です。
 頚椎症では首から肩にかけてのコリを取り去ることが重要になります。 まず、素早く痛みを取り去るためにトリガーポイント(筋緊張点)への鍼で筋肉の緊張を和らげる治療をします。その後丁寧なマッサージでコリをほぐしていきます。なお頚椎症では手のしびれや首・肩のコリだけではなく、全身症状、たとえば頭痛やだるさ、吐き気などを伴うこともあるために自律神経の調整を目的に脈診による経絡治療を行うこともとても重要です。
 鍼治療は慢性病に効くと思われがちですが実際は治療後すぐに効果を実感できることが普通です。治療を終えた患者さんがみなさん「ああ、楽になった」とおっしゃってくださいます。そんなとき鍼灸師になってほんとうに良かった!と充実感を覚えます。

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