ここが知りたい健康情報   「天気痛」
天気痛

  雨が降る前に身体の不調を訴える人がたくさんいます。古傷が痛むから雨が降るとか、天気が悪くなると元気がなくなり、うつ状態になってしまう人もいます。このような症状を「天気痛」といいます。
昔から東洋医学では身体の不調を起床と結びつけて考えてきました。
 自然界の気候を「風(ふう)・寒(かん)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・火(か)」の6種類の気候的要素[六気(ろくき)]に分けて、それらの過不足や時期外れの出現が、発病を促す6種類の邪気(じゃき)=[六淫(ろくいん)]となると考え、この六淫による病気には、必ず季節や気象が関係するとされてきました。そうです。季節と五臓六腑は密接に結びついているのです。
以前から気象病などと使われてきましたが、最近になって名古屋大学の「佐藤純」教授が「天気痛」のメカニズムを研究しておられます。
 気象病や天気痛は、自律神経の乱れや血管の拡張が原因で起こります。自律神経のバランスの乱れによる交感神経優位のストレスや、拡張した血管が神経を圧迫刺激することで 、痛みや体調不良を発生させると考えられています。この自律神経の乱れや血管の拡張は、天気や気圧、気温、湿度の変化が原因であることが以前から分かっていました。気象の変化により耳奥の内耳のバランスが崩れるため、脳が混乱しストレスを感じて交感神経が優位となり、交感神経が痛覚を刺激するわけです。そのため、古傷が痛みだしたり、様々な体調不良があらわれるのです。
 気象病や天気痛は気圧や天気の変化で起こるため、春や秋など気温や湿度、気圧の変化が激しい季節の変わり目に発症することが多いです。また、台風や梅雨の季節にも多く現れます。最近は起床の変化が大きく、ゲリラ豪雨など頻繁に起こるようになりました。ですから天気痛の患者さんの症状もそれだけひどくなる傾向にあるようです。

■気象病や天気痛の主な症状とその特徴

頭痛 気象病や天気痛で起こる頭痛には偏頭痛と緊張型頭痛があります。まず、気象病で起こりやすいのは偏頭痛です。偏頭痛は頭の片側のこめかみから目にかけて、ズキズキ波打つように痛むのが特徴です。次に緊張型頭痛は、後頭部から首筋にかけて重苦しい漢字、頭をベルトで締め付けられているような圧迫感を感じるのが特徴です。
めまい・ふらつき 天気痛には、めまいやふらつきの症状が起こることもあります。めまいは、気圧の変化によって自律神経が乱れ起こります。乗り物酔いのような、目が回るようなクラクラとした感覚が特徴です。ふらつきも自律神経の乱れが原因で起こります。フワフワした感じがするのが特徴です。
吐き気 天気痛の症状であるめまいは、吐き気を伴うこともあります。立って歩くことすら困難で、周囲のものがグルグル回って見えるほど激しいめまいの症状の時は、同時に激しい吐き気・嘔吐を伴うことが多いです。首や肩のコリが内耳の血流を妨げることにより、内耳センサーが敏感になり、頭痛やめまい・吐き気などを誘発します。
倦怠感 天気痛では倦怠感の症状が現れることもあります。目に見えない気圧の変化で、身体が重くダルイ感じが続いたり、疲れがとれにくくなります。
うつ症状 天気痛ではイライラしたり、なんだか元気が出ないと思うこともあります。気象の変化による自律神経の乱れから、ストレスを感じたり、体調不良や持病の悪化などが起こるためと考えられます。ようするに気圧の変化に酔ってしまうといえるでしょう。
腰痛・肩こり 気象病や天気痛では腰痛や肩こりの症状が現れることもあります。気圧の変化により自律神経が乱れ、血行が悪くなることで腰や肩などの痛みを感じやすくなります。
関節痛・神経痛 気象病や天気痛では関節痛や神経痛の症状が現れることもあります。気圧の変化により拡張した血管が、神経を圧迫刺激することで関節痛や神経痛を引き起こします。特に膝の痛みを訴える方が多いです。
蕁麻疹(じんましん) 天気痛では蕁麻疹の症状が現れることもあります。蕁麻疹の原因は多種多様で、原因が分からない蕁麻疹はとても厄介なものです。気圧の変化により自律神経が乱れ、蕁麻疹や帯状疱疹を発症する方が多いことが分かりました。
メニエール病 天気痛ではメニエール病を発症することもあります。メニエール病は、クルクル回転するようなめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状を同時に繰り返す内耳の疾患です。春先や秋口の急な温度変化でおこりやすいとされています。
古傷の痛み 古くから「古傷が痛むと雨になる」などともいわれてきました。天気痛の代名詞になっています。
帯状疱疹後の痛み 帯状疱疹は幼いころに罹った水疱瘡のウイルスが体内に潜んでおり、何らかの理由で免疫力が落ちたときに発症します。抗ウイルス薬で症状が治まった後でも、気圧が下がってきたときなどに痛みをぶり返すことがあります。

さらに、天気痛をきっかけに新たな病気になったり、既存病(持病)の症状が悪化する場合もあります。たとえば、喘息・アレルギー・リウマチ・心臓発作・脳出血、更年期障害、認知症の悪化など、中には命に関わる病気もあるため、十分に注意する必要があります。また、天気痛の方の中には、誰にも体調が悪いのを理解してもらえず、悩んでうつ病にまで発展してしまう方も少なくありません。天気痛の患者さんは幼いころから乗り物に酔いやすかった人が多く、内耳が敏感だといえるでしょう。新幹線や飛行機・高速エレベーターなど急激な気圧の変化にも注意する必要があります。

■天気痛の治療
 天気痛は内耳の血流が悪いことで起きると考えられます。平衡感覚をつかさどる内耳には、気圧の変化を感知し、脳に信号を送るセンサーがあるのですが、 本来、センサーは気圧の変化に身体を順応させるためにあるはずなのに、普段から自律神経が乱れやすい人の場合、センサーからの信号を受けて脳が混乱してしまうと考えられます。
西洋医学的な治療として、車酔いの薬や抗めまい薬、自律神経調整剤などが投与されるようです。
それでは鍼はどうでしょう?当治療院には、旅行の前には車酔いを予防する目的で来院される患者さんも多数おられます。また、めまいや耳鳴などの治療、自律神経のバランスを整える目的での来院のように、天気痛と思われる症状の患者さんが多く来院されています。そうです。自律神経の調整こそ鍼灸の得意分野といえるでしょう。
また、首や肩の凝りで内耳の血流が悪くなることで天気痛が起きると考えられますので、首や肩の鍼やマッサージは天気痛予防にもっとも効果的だといえるでしょう。

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