ここが知りたい健康情報   「変形性脊椎症」
変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)
 変形性脊椎症はいわゆる骨の老化です。脊柱を構成している椎骨は、円柱状の「椎体」と、後方に張り出した「椎弓」で構成されていて、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、それに仙骨と尾骨から成り立っています。椎骨が積み重なることでできる、管状の空間を「脊柱管」といい、脊柱管の中には脊髄や神経などが通っているため、脊柱管が狭くなるとさまざまな症状が現れます。また、骨と骨の間にはクッションの役割をはたす「椎間板」とよばれる軟骨が存在していて、この椎間板は線維輪(周辺の硬い部分)と髄核(中心部分)で構成されており、繊維輪に亀裂が生じ、髄核が繊維輪を破って飛び出してしまうと椎間板ヘルニアになってしまいます。

■原因
 変形性脊椎症は骨の老化ですから中年以後では多かれ少なかれかなりの人に見られます。ただし、誰もが症状を訴えるわけではありません。
老化に伴う椎間関節・椎間板・靭帯の非可逆的変性
老化により椎体が前方にずれる「脊椎すべり症」
交通事故などの外傷

■症状
首の痛みや運動障害 首や肩の凝り、痛みで首を動かせない。無理に動かすと肩甲骨付近に痛みが走ったり、腕から指にかけて痛みやしびれを感じるようになります。
手足の運動障害 腕や指に力が入らなくなるために文字が書きにくくなったり、ボタンをかけるなどの細かい動作がやりにくくなります。また、脚が突っ張って歩きにくくなる(痙性歩行)なども見られるようになります。
坐骨神経痛や一側性の間欠性跛行 おしりから太もも、足先にかけて痛みが走り、歩くことが困難になります。いずれの場合にも、腰痛、脚の痛みや痺れ、感覚障害などが起こります。
直腸膀胱障害 さらに症状が進むと直腸膀胱障害が起こることもあります。

■診断
 問診をし、腱反射の有無、知覚障害、筋力低下などを検査して判断します。他の疾患との鑑別診断のためにレントゲンやMRIも用いられます。

■西洋医学的治療
薬物療法 シップ薬や消炎鎮痛剤、血液循環改善を目的にビタミンB12製剤が用いられます。
神経ブロック療法 知覚神経線維・運動神経線維・交感神経線維の異常な緊張や興奮を取り除き、その神経が支配している領域の痛みを断ち切る治療法で、局所麻酔剤や抗炎症剤などが使われます。
固定療法 コルセットなどで固定して安静を図ります。
手術療法 保存療法で十分な効果が得られずに症状が悪化してしまい、著しい歩行障害や排泄障害がある場合には手術が検討されます。

■鍼治療
 来院してくださった患者さんには少しでも楽になって帰ってもらいたい。私が鍼を持つとき、いつもその思いでいっぱいです。まず、痛みにより崩してしまった自律神経のバランスを調整する目的で脈診による鍼を行います。その後腰部や脚の痛みを取り去るためにトリガーポイント(筋緊張点)への鍼で筋肉の緊張を和らげる治療を行い、状態に応じて低周波通電を行います。その後腰部から脚にかけて丁寧なマッサージを行って終了します。
 鍼治療が他の治療に優れていることは、1度で治すことはできなくても、帰りには「ああ、楽になった」と言ってもらえることです。私が鍼灸師になってよかったと思うのはこんなときです。
 脊椎に変形があると、痛みのために運動を控えるようになります。脊柱規律筋や腹筋が弱ってくると背骨に負担がかかり、ますます痛みが増強してしまう悪循環に陥ってしまいます。そのためにもできるだけ筋肉を鍛えることが大切になるわけですが、自分で運動することが困難な場合にはテクトロンによる強制運動も選択肢の一つです。テクトロンである程度筋肉がついたら少しずつ自分で運動するように心がければQOL(生活の質)も改善されることでしょう。
 加齢は誰にでも訪れます。しかし加齢は老化とはイコールではありません。日ごろから筋肉を鍛え、100歳になっても身の回りのことが自分でできるようにしましょう。

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