ここが知りたい健康情報   「パニック障害」
パニック障害
 パニック障害は、強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつで、panic disorder(PD)と呼ばれます。従来は、不安神経症や心臓神経症と呼ばれていたものが、世界保健機関により1992年に独立した病名として登録されました。しかし、日本ではまだ認知度が低く、パニック障害と診断されないままにあちこちの内科を巡り歩き、自律神経失調症や心身症と診断されたり、逆に自律神経失調症など別の病気をパニック障害と診断されて薬が投与されるケースも多いようで、男女比は1対2の割合で女性の罹患率が多くなっています。

■症状
 特に原因が無いのに次のような症状が四つ以上出現し、10分以内にピークに達します。
心臓がドキドキする
汗が出る
身体や手足の震え
呼吸が早くなる、息苦しい 息が詰まる
胸の痛みまたは不快感
吐き気、腹部のいやな感じ
めまい、頭が軽くなる、ふらつき
非現実感、自分が自分でない感じ
常軌を逸する、自分が狂ってしまうのではないかとの心配
このまま死んでしまうのではないかとの恐れ
しびれやうずき感
寒気または、ほてり
 そして、心のそこからわき上がってくる激しい不安感でいてもたってもいられなくなるのです。パニック発作が始めて起きてから次の発作が起きるまでの時間は様々ですが、その体験があまりに強烈なため、患者はまたあの恐ろしい発作が起きるのではないかとの恐怖でどんどん不安が増していきます。これを「予期不安」といいます。また、パニック発作が何度も繰り返されると、発作を恐れて電車や飛行機などの公共交通機関に乗れなくなったり、トンネルやエレベーター・込んだ電車などの狭い空間や、車の渋滞や行列など逃げ出すことのできない場所を恐れるようになります。これを「広場恐怖」といいます。

■原因
 これといった原因は分かっていませんが、次のようなことが考えられます。
ストレス学説
環境因学説
遺伝学説
パニック発作誘発物質(炭酸ガス・カフェイン・乳酸など)
最近、脳内神経伝達物質である「セロトニン」と「ノルアドレナリン」のバランスに何らかの乱れが生じることが原因ではないかとの説もあります。

■治療
 病院では抗うつ薬や抗不安薬などが使われます。薬により発作を鎮めることで、「予期不安」や「広場恐怖」を克服し、発作の回数を減らすのが目的です。
 認知・行動療法。これは、発作が起きそうになったとき、発作は激しくても死ぬことはないし、必ず治まると理解することです(認知)。次に、簡単なこと、コンビニや散歩に出かけたり、短い距離を電車に乗ったりして、小さな成功体験を積み重ねることで、失敗の回路を断ち切ります(行動)。

■鍼治療
 当治療院に来院されるパニック障害の患者さんのほとんどはかなり長い間抗うつ薬や抗不安薬を飲み続けている人ばかりです。もちろん発作が頻繁に繰り返されるのを抑えるにはこれらの薬は有効です。しかし、心療内科に受診し、「お変わりありませんか?」「はい」これだけで同じ薬が投与されていることに疑問を感じてしまいます。カウンセリングとまではいいませんが、もう少し患者との会話を大切にしてもいいのにと強く思います。「認知行動療法」の説明すら受けたことがないのにもただただ呆れるばかりです。近頃では電子カルテを導入している病院も多くなりました。しかし、パソコンに不慣れな医師は患者と向き合うことよりキー入力にエネルギーをとられてしまっているようです。患者さんの顔を全く見ない医師もいるとのことで、それでは病気の真の原因を見つけることなど到底望めないと残念でなりません。
 東洋医学では心と身体を含めて一人の人として診察することを基本にすえています。脈診により12経絡の虚実を判断し、全体の調整を図ります。原因の一つに「セロトニン」と「ノルアドレナリン」のバランスの乱れというのがあります。鍼灸にはこのバランスを調整する効果が期待できますし、自律神経やホルモンの調節、特に快感ホルモンといわれるβ-エンドルフィンを分泌させる効果が期待できます。また、治療時間が長いので、いろいろなおしゃべりをすることで、ストレスが解消されたり、新しい何かを発見できるかもしれません。ゆっくり休みたければ、うとうとしながら鍼やマッサージを受けることで、心も身体もリラックスできるでしょう。
 当治療院ではBGMも工夫しています。「1/fのゆらぎ」というのをご存知でしょうか?これは自然界に存在するリズムで、繰り返し聴こえる波の音や川のせせらぎ、滝の音や風のそよぎなどで、自然界の音にはリラクゼーション効果があるというのです。この「1/fのゆらぎ」は私たちの身体と、自然界に共通する基本のリズムなのです。「1/fのゆらぎ」のBGMを聴きながらの鍼・マッサージ治療は、本来私たちが持っている自然のリズムを取り戻し、リラックスしたときや集中力が高まったときに現れる脳波である「α波」も多く出現させることができます。
 パニック発作はとても恐ろしいものです。しかし、それで死ぬことは決してありません。また、必ず治る病気だとの認識をしっかり持つことが大切です。

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