ここが知りたい健康情報   「薬の基礎知識」
薬の基礎知識
 急な頭痛や発熱、かぜや腹痛、高血圧や脂質異常症など誰もが多かれ少なかれ薬を飲んだことがあるでしょう。来院された患者さんの中には数年から数十年も薬を飲み続けていたり、頭痛薬やかぜ薬などを何の疑問も持たずに気軽に使っている人もたくさんいます。「どうしてその薬を飲んでるの?」ときいても答えられなかったり、頭痛薬が効かないからと2回分をまとめて飲んだりしている人もいて、安易に薬を使って大丈夫なのかなあと心配してしまいます。専門的なことはそのつど医師に質問することが大切ですが、薬に関する基礎知識があればと思い少し書いてみました。

薬の服用時間
食前 血糖の上昇を抑える薬などで、食前30分くらいが目安です。
食間 食事と食事の間で、食後2時間くらいが目安です。胃薬・食事の影響を受けやすい薬・漢方薬などです。
食後 降圧剤・消化剤・大部分の内服薬などで、食後30分くらいが目安です。就寝前 睡眠剤・便秘薬など
その他 頓服として解熱剤や鎮痛剤・吐き気止めや下痢止め、最近では1日に1回飲む薬や、1週間に1回飲む薬もあります。
服薬中に食べてはいけない食品
ワーファリンと納豆 納豆菌は体内に入るとビタミンKを作り出します。ワーファリンはビタミンKの働きを阻害して血液が固まらないようにする薬です。納豆菌により大量にビタミンKが作り出されてしまうと薬の効果が押さえられてしまいます。
カルシウム拮抗薬とグレープフルーツ 一緒に摂るとカルシウム拮抗薬の効き目が強くなり、血圧が下がりすぎたり、動悸などが起こります。その他シンバスタチン製剤やトリプタン製剤なども要注意です。
腸溶剤(腸で溶けるように工夫された薬)と牛乳 抗生物質などは胃酸によって分解されないようにカプセルなどで守られています。牛乳と一緒に飲むことで胃酸が中和されてしまい、胃酸から守る層が破壊され、薬の効果が十分に発揮されなくなってしまいます。薬は必ずコップ1杯の水で飲むようにしましょう。水の量が少ないと食道で溶けてしまうことがあります。
薬の有効期限 薬は化学物質です。温度や湿度、酸素や光などの影響を受けて変質します。市販薬の場合は外箱に書いてある有効期限を守って使用してください。また、同じ症状だからと言って以前医師に処方された薬を使うのは危険です。
処方薬を飲む期間 降圧剤などは勝手に止めることで血圧が急激に上がってしまうこともあります。ステロイドなどは勝手に止めるとリバウンドしてしまい命に関わることもあります。薬を止めたいときや、自分には合わないと感じたら、必ず医師に相談しましょう。
薬物相互作用 複数の病院に通院している場合、あちこちから数種類の薬が処方されます。食べ物との飲み合わせがあるように、薬にも飲み合わせがあります。一緒に飲むことで薬が効かなくなったり効き過ぎたりして思わぬ事態が起こるかもしれません。市販薬も含めてそのつど医師や薬剤師に相談しましょう。また、お薬手帳などを活用して薬を全体的に管理することも有効です。
漢方薬 病院でもらった薬で効果が感じられないとき、漢方薬を使ってみようかなと相談を受けることがあります。漢方薬は比較的穏やかな薬が多く気軽に使ってしまいがちです。しかし、漢方薬と西洋薬の間にも相互作用が考えられます。また、漢方薬で肝機能障害が起きたり、浮腫や血圧が上がるなどの副作用も報告されています。漢方薬でも西洋薬でも長期に使い続けるときには、自分で判断せずに薬剤師に相談しましょう。
薬の保存 薬は温度や湿度、酸素や光の影響を受けて少しずつ変質していきます。普通は涼しくて光が当たらない場所で保管するだけで大丈夫です。乾燥剤を入れておくこともよいですね。しかし、座薬や水薬などは冷蔵庫のほうが変質を防げます。
消炎鎮痛剤 痛み止めを飲むと胃が痛くなることがあります。これは胃が弱いからというよりは、消炎鎮痛剤の副作用です。その他消炎鎮痛剤は血管を収縮させ血流を阻害するため治りが遅くなります。交感神経の緊張が高まることで不眠に陥ったり、体温が低下したり、めまいを起こすこともあります。消炎鎮痛剤は病気を治す薬ではありません。急な発熱や痛みのときに一時的に使用することはかまいませんが、長期服用は避けましょう。
抗生物質 抗生物質を使った後に下痢をすることがあります。抗生物質は細菌を殺す薬です。腸内には100兆個もの細菌が存在しており、抗生物質の影響で腸内細菌のバランスが崩れてしまうことが原因です。たいていは数日で治癒しますが、ひどくなるようなら医師や薬剤師に相談しましょう。
目薬 複数の目薬が処方された場合には5分以上空けて点眼します。次により効かせたい目薬を後にします。さらに刺激のある目薬も後にするほうがよいでしょう。複数の目薬が処方されたときには、点眼の順番を医師や薬剤師に確認するようにしてください。また、コンタクトレンズ使用者は着けたまま目薬を点眼してもよいかなど医師に相談するようにしましょう。
西洋オトギリ草 セントジョーンズワート(西洋オトギリ草)という気分をゆったりさせると話題の健康食品があります。ドイツでは医薬品として使われていて、効果が期待できると考えられています。しかしこの西洋オトギリ草と多くの医薬品との間に相互作用があることが分かってきました。他の薬が効かなくなったり、セントジョーンズワートの服用を急に止めると他の薬の血中濃度が上がって中毒症状を起こすことがあるのです。
スイッチOTC薬 最近スイッチOTC薬という病院の薬の成分を市販薬に転用した薬が出ました。これまでは医師の判断でしか使用できなかった医薬品を、薬局で買えるようにしたのがスイッチOTC薬です。スイッチOTC薬は、その薬に含まれる成分の種類や濃度によって、スイッチされてしばらくの間は、薬剤師のいる薬局などでしか買うことができません。従来の市販薬と比べて作用が強いこともあり、正しく使用しないと副作用などが起こることもあります。定められた用量・用法・使用上の注意を守って、正しく服用するようにしましょう。
ジェネリック医薬品 ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、先発医薬品の特許満了後に、有効成分・分量・用法・用量・効能及び効果が同じ医薬品として新たに申請され製造・販売される安価な医薬品で、厚生労働省が先発医薬品と同等と認めた医薬品です。そのため開発コストが安く、患者が負担する薬代は先発医薬品の2割から7割ほどです。欧米では、特許が満了した1月後には約80%がジェネリック医薬品に替わると言われていますが、日本ではまだまだ先発医薬品が幅を利かせています。


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