ここが知りたい健康情報   「高齢者と薬」
高齢者と薬
 高齢になると何らかの病気をしている割合も多くなります。認知症と脳卒中、心臓疾患と骨粗しょう症など一人で複数の病気を持っていることもまれではありません。そのために10種類以上の薬を飲んでいる人もいて、おのおのの薬の副作用はもちろん、相互に作用しあうことによる問題も起きてきます。
 当治療院の患者さんでも16種類もの薬を飲んでいる人もいましたし、自分がなぜそんなに薬を飲んでいるのかなど考えもせずに十数年も同じ薬を飲み続けている人もいます。降圧剤や精神安定剤を飲んでいる患者さんにどうして飲んでいるのかをたずねたところ、大した薬ではないからとりあえず飲んでいたらと医師に言われたと話す人もいて、果たして患者さんが飲んでいる薬に意味があるのだろうかと疑問を感じてしまいます。というより、とりあえず飲む薬、大した薬ではない薬、それならどうして飲んでいるのでしょう。
 高齢の患者さんに問診をしてみると、夜トイレに起きたときにふらつくというケースや、歩いていて足がもつれて転んでしまうと話す人が多くいます。階段から落ちて大たい骨骨折で寝たきりになってしまった患者さん、夜トイレに起きたときに転んでしまってくも膜下出血になってしまった人、みなさんたくさんの薬を服用していました。脳卒中や骨粗しょう症で寝たきりになる高齢者はたくさんいますが、薬の副作用によって転んでしまったことが原因で寝たきりになってしまうとしたらとても残念なことです。
 日中ぼうっとなってしまう人や、ふらついたり足がもつれて転んでしまう患者さんに対し、飲んでいる薬について医師に相談してみたらとアドバイスをすることがあります。高齢者は現在の自分の身体の状態を医師にきちんと伝えることが苦手なようです。「お変わりありませんか?」「はい」「ではお薬を出しますので今までと同じように飲んでください。また1ヵ月後に来院してください」で診察が終了してしまいます。
 私は薬剤師でもないし医師でもありませんから薬についてはそれほど詳しくありません。しかし、患者さんの中には薬を変えてもらったり、病院を変えたことで症状が改善された人もいて、ほっと胸をなでおろすこともありました。

■薬に対する高齢者の反応
 上にも書きましたが、高齢者は複数の病気、特に慢性疾患にかかる可能性が高いことから、若い人より薬を多く服用しています。高齢者では視力の低下により薬を見間違えたり、耳が聴こえにくくなることで服用方法が誤って伝えられることもあります。その他次のようなことから副作用が出現すると考えられます。
代謝の低下 薬の代謝は主に肝臓で行われますが、肝臓は年齢と共にその容積も小さくなり、流れる血液量も少なくなります。酵素の働きも低下し、その結果として薬の代謝に時間がかかるようになります。また、腎臓の機能の低下により、尿中への薬の排泄が遅くなります。肝臓と腎臓の機能低下により、若い人に比べて薬の副作用が強く出ることがあると考えられるわけです。
身体の水分量の低下と脂肪の増加 年齢を重ねると身体の水分量は少なくなります。その結果として薬の濃度が濃くなることも予想されます。また、脂肪の増加により脂肪と相性のよい薬は身体の中に蓄積しやすくなり、効果が強く現れたり、副作用が起こる原因となるのです。
たんぱく質量の減少 高齢者ではたんぱく質量の減少により、たんぱく質と相性のよい薬では遊離の薬の量が増えることで副作用が起こります。

■医師や薬剤師とのコミュニケーションを
 
薬を正しく服用するためにもっとも大切なことは、担当の医師や薬剤師とのコミュニケーションです。今の身体の状態、視力や聴力や運動能力はもちろん、生活状況も伝えましょう。自分の感じ方が少しでも変わったらそれも遠慮せずに伝えてください。また、薬の手帳などを使うことで薬の過剰投与を防ぐことも大切です。
 その他普段飲んでいるサプリメントなどもきちんと伝えることが必要です。投与されている薬と似た効果のサプリメントを飲んでいる場合には効果が強く出ることもありますし、反対の作用のサプリメントでは薬の効果を減少させてしまうこともあるのです。

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