ここが知りたい健康情報   「頚椎椎間板ヘルニア」
頚椎椎間板ヘルニア (けいついついかんばんヘルニア)

 人の背骨は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、それに仙骨と尾骨から成り立っています。骨と骨の間にはクッションの役割をはたす「椎間板」とよばれる軟骨が存在しています。椎間板は 線維輪(周辺の硬い部分)と、髄核(中心部分)で構成されており、繊維輪に亀裂が生じ、髄核が繊維輪を破って飛び出してしまうのが椎間板ヘルニアなのです。
 頭の重さは成人で約6kgといわれ、それを一生懸命支えているのが頚椎です。中には脳の命令を手足に伝える神経が通っているため、頚椎に何らかの障害が起こると全身に影響してしまうのです。頚椎椎間板ヘルニアは腰椎椎間板ヘルニアに比べて発症年齢が高く、40歳以上に多く見受けられるようです。好発部位は、頭蓋骨を支えるのに最も負担が強いられる下位の頚椎で、第5頚椎−第6頚椎間の椎間板と第6頚椎−第7頚椎間の椎間板です。

■原因

外傷

交通事故によるむち打ち損傷、スポーツ障害、寝違えなど日常生活での外傷。

椎間板の老化

椎間板は20歳を過ぎた頃から、だんだんと弾力性がなくなります。そのため、無理な動作や圧迫に耐えられずに髄核が飛び出してしまうのです。

骨の老化

加齢による骨の変形や骨粗鬆症などが原因で、ちょっとした衝撃で骨が欠けてしまい、椎間板を潰してしまいます。

■症状

首の痛みや運動障害

首や肩の凝り、痛みで首を動かせない。無理に動かすと肩甲骨付近に痛みが走ったり、腕から指にかけて痛みやしびれを感じるようになります。

手足の運動障害

腕や指に力が入らなくなるために文字が書きにくくなったり、ボタンをかけるなどの細かい動作がやりにくくなります。また、脚が突っ張って歩きにくくなる(痙性歩行)なども見られるようになります。

直腸膀胱障害

さらに症状が進むと直腸膀胱障害が起こることもあります。

■診断
 問診をし、腱反射の有無、知覚障害、筋力低下などを検査して判断します。他の疾患との鑑別診断のためにレントゲンやMRIも用いられます。

西洋医学的治療
 だいたい保存療法で80パーセントから90パーセントは症状が改善されます。しかし、残りは手術となりますが、この頃は切開をしなくてもレーザー手術もできるようです。
 保存療法の場合、整形外科では、急性期はシップ薬投与、消炎・鎮痛剤や筋弛緩剤を内服し除痛を図りながら頚椎カラーなどで固定し、安静をとります。また、ブロック注射で痛みをコントロールすることもあります。その後、電気刺激やレーザー照射、温熱療法や低周波治療で様子を見ます。

鍼治療
 頚椎椎間板ヘルニアも腰部の椎間板ヘルニアに続いて鍼灸治療院でも患者数の多い疾患です。整形外科でずっと治療していたのにほとんど効果が見られずに、来院される患者さんもたくさんいます。最初は単なる寝違えで数日すれば治ると思っていたのが数ヶ月経っても首や肩の痛みに悩まされ、手足にも力が入らなくなるとだんだん不安になってしまいます。
 まず、素早く痛みを取り去るためにトリガーポイント(筋緊張点)への鍼で筋肉の緊張を和らげる治療をします。また、痛みによる自律神経のバランスの崩れを調整するために脈診を行い、全身調整の鍼をします。その後首から肩にかけてのマッサージをして終了することになります。鍼治療が他の治療に優れていることは、一度で治すことはできないにせよ、帰りには「ああ、楽になった」と言ってもらえることでしょう。私が鍼灸師になってよかったと思うのはこんなときです。
 加齢により骨や椎間板も老化します。支える筋肉も弱くなるためにちょっとした動作が椎間板ヘルニアのきっかけになります。普段の何気ない動作、寝ているときの姿勢も重要になるのです。

寝具
 人は一晩に大体20回ほどの寝返りをしています。寝返りによって⇒体重によって圧迫された身体の部分の痛み・血行不良を和らげたり、レム睡眠とノンレム睡眠のスイッチを切り替えることで、規則的で安定した眠りを得ているのです。しかし、寝具が柔らかすぎると寝返りがしにくいため、回数が減りますし、寝具が硬すぎると同じ姿勢を保つことが苦痛になり、寝返りの回数が増えるのです。また、一晩にコップ1杯の汗をかいている人の身体。布団やベッドマットをこまめに干して、湿気がたまらないようにすることも大切です。
 次に枕の高さと素材です。人が自然で無理の無い姿勢で立つと、背骨が緩やかなS字状になります。頚の後ろの部分もカーブを描いており、眠りに就く時でもこのカーブを保つことが安眠のポイントです。大体6センチくらいの高さがいいと言われてますが、個人差があります。次に枕の素材ですが、柔らかすぎると頭全体が埋もれてしまい、体温を放出できず、熱がこもってしまいますし、硬すぎると頭が安定しないため寝つきが悪くなります。通気性が良く、顔が沈み込まない程よい柔らかさの枕を選ぶ必要があります。昔は枕といえばそば殻でしたが、デパートなどにはいろいろな素材のものが多く出回るようになりました。自分に合った高さと素材を選ぶためにも、ピローフィッターなどに相談してみるのもよいかもしれませんね。

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