ここが知りたい健康情報   「肩こり」 かたこり 
肩こり かたこり 
 鍼やマッサージの治療院を受診する患者さんの半数以上は肩こりを訴えての来院です。最初から肩こりが主訴ということもありますが、頭痛や自律神経失調症に合併してのことも多く、総合すると8割ほどにもなります。不眠や頭痛、自律神経失調症や疲労、胃腸障害や心臓疾患など、肩こりはいろいろな病気の症状として現れます。何かの病気に付随する肩こりはそれぞれのコラムを参考にしていただき、ここでは主訴が肩こりについて述べることにします。

■原因

 肩こり腰痛Q&Aでも述べたように、重力に逆らい、2本足歩行を始めた我々人類にとって、肩こりは宿命ともいえるようです。特に日本人は世界一肩こりを訴える国民であり、その中でも女性は男性の2倍にもなります。肩こりの原因の一つが首・肩の筋力低下です。女性は男性より筋力が弱いのは当然ですが、デスクワークばかりの男性も筋力低下による肩こりを訴えることが多くなりました。
 次に考えられるのは枕が合っていないことです。このごろはピローフィッターに枕を合わせてもらう人も増えてきましたが、なかなか合う枕を見つけることができない人もいます。枕が合わないことが肩こりの原因になり、肩こりがひどいから枕が合わなくなってしまったと考えることもできます。頚や肩の筋力低下により重い頭をうまく支えられずに寝心地が悪いと感じてしまい、幾つも幾つも枕を試してみることになるのです。
 その他の原因として、ストレス増による精神的疲労、内臓性の肩こり、PC作業による眼精疲労による肩こりなどが増加しています。

■症状
 もちろん主症状は肩こりですが、肩こりがひどくなると、吐き気やめまい、不眠や頭痛を訴えるようになります。さらに悪化すると、実際に吐いてしまったり、いつまでも疲れがとれずに憂鬱になってしまうことになります。病名が分からずあちこちの病院を巡り歩いて、結局は肩こりを治したらもろもろの症状が消えてしまったということも多いのです。

■治療
 肩こりは鍼やマッサージで驚くほど楽になります。肩こりの原因が肉体疲労や目の疲れだとしても肩こりを取り去るだけでいろいろな症状が消えてしまうのです。
 めまいや吐き気を主症状として来院された患者さんも、耳鳴りや目の疲れで来院された患者さんも、不眠や頭痛で来院された方も、肩の治療ですっきりした表情でお帰りになるのですから、肩こりに気づいていない人が多いことに驚いてしまいます。
 肩こりで来院された場合、当治療院では12経絡の虚実と、自律神経の状態を診察する目的で脈診を行います。脈診は手首の動脈に両手の3本の指(人差し指・中指・薬指)を当てて行います。私たちの身体には「経絡(線路)」という「気(エネルギー)」の通り道があり、その経絡を結んでいるのが「ツボ(駅)」です。「気」は「血」を動かす原動力でもあり、気が滞れば血も滞るので、ツボを刺激することによって気血の流れをスムーズにし、12経絡の調整を行います。現代医学的に言うと、自律神経・ホルモン・免疫の調整、血液循環改善、自然治癒力を取り戻す目的で刺鍼するわけです。
 次に、頚や肩、背中のこりを取り去ることを目的に鍼と丁寧なマッサージを行います。この治療により、頚や肩のこりはもちろんのこと、頭痛や眼精疲労も楽になります。
頚や肩の凝りは自律神経失調症やうつ病などでも起こります。 当治療院ではBGMも工夫しています。「1/fのゆらぎ」というのをご存知でしょうか?これは自然界に存在するリズムで、繰り返し聴こえる波の音や川のせせらぎ、滝の音や風のそよぎなどで、自然界の音にはリラクゼーション効果があるというのです。この「1/fのゆらぎ」は私たちの身体と、自然界に共通する基本のリズムなのです。「1/fのゆらぎ」のBGMを聴きながらの鍼・マッサージ治療は、本来私たちが持っている自然のリズムを取り戻し、リラックスしたときや集中力が高まったときに現れる脳波である「α波」も多く出現させることができます。

■予防
 なんといっても頚や肩の筋力を低下させないことが大切です。ラジオ体操やストレッチ、ヨガやスイミングなど、自分に合った運動を見つけて続けることが必要です。肩こりが悪化してしまうと仕事の効率が低下するばかりか、気分が落ち込んでしまいます。うつ病や自律神経失調症、慢性頭痛や不眠に悩まされる前に、早目の受診をお勧めします。また、規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠をとり、自分なりのリラックス法を見つけましょう。

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