ここが知りたい健康情報   「頻尿」
頻尿
  おしっこの悩みはなかなか他人には話しづらいものです。近頃ではおしっこのトラブルに対処する薬や、尿漏れパンツなどのCMも増えてきました。泌尿器科の医師も増え、女性専門外来を設けるところもあります。頻尿は非常につらい症状です。仕事や学校では数時間トイレに行けないことが多く、社会生活に支障をきたすこともあります。

■排尿の仕組み
 まず、みなさんもご存知のように尿を作っているのは腎臓です。腎臓はソラマメ型をしていて左右に1対あり、成人では1個あたり約150gほどもあります。血液を濾過して老廃物を濾し取り原尿を作り、その原尿から体に必要な成分や水分を再び血液に戻していらなくなったものだけが尿として膀胱へと運ばれていきます。膀胱は一定量の尿を溜めておくことのできる袋で、約400mlほどの尿を溜めることが可能です。
 人が排尿しようとすると、脳が尿を出しても良いと判断し排尿筋に信号を送ります。信号を受け取った排尿筋が収縮して尿を尿道へ排出します。それと同時に尿道括約筋に信号が送られて括約筋が緩むことで体外に尿が排泄されるわけです。
 正常な人の排尿の頻度はだいたい7回程度です。もちろん汗をかいたときには回数が減り、水分を多く摂ったときは増えます。人の脳が、「排尿をしたい」と感じるのは膀胱に200mlほどの尿が溜まったときで、300mlくらいになると「そろそろトイレに行ったほうがいいかも」と思うのです。

■原因
心因性の頻尿 過剰なストレス状態が続くことで頻尿になることがあります。「トイレが近くていやだなあ」と思うことがまたストレスになってしまい悪循環に陥ります。
過活動膀胱 過活動膀胱は、膀胱が尿でいっぱいになる前に、膀胱が自分の意思に反して、勝手に収縮し尿失禁をおこしてしまうもので、尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁が主な症状です。
脳神経のダメージ 脳梗塞や脳出血、その他の脳神経のダメージによっても頻尿は起こります。
前立腺肥大症 前立腺とは膀胱の出口付近から尿道を取り囲むようにある筋肉で、中高年の男性の場合、頻尿のほかに尿の出が悪かったり、残尿感があるなどの症状がみられます。
細菌感染 「膀胱炎」、「尿道炎」、「前立腺炎」などでは、排尿時に痛みがあったり、尿が濁るなどの症状が現れることもあります。
尿道結石 排尿時の痛み(ときに激痛)と腰痛が起こることもあります。
妊娠時の頻尿 胎児により膀胱が圧迫されて頻尿になります。
便秘による頻尿 直腸に溜まった便が膀胱を圧迫して頻尿になります。
糖尿病 糖尿病の患者さんは水を多く必要とするために尿量が増えます。
冷え性 冷え性の人は汗をかくことができずに尿量が増えます。また、冷え性の人は筋肉の量が少なく、排尿筋や尿道括約筋のコントロールがあまり上手ではありません。
加齢による頻尿 加齢により体力が落ち、筋肉量が少なく冷え性になることで汗もかきにくいために頻尿になりがちです。

■治療

 原因によりその治療も異なります。病気による場合にはそれぞれの治療により頻尿も改善されると考えるとよいでしょう。
 最近注目されているのが過活動膀胱です。日本排尿機能学会によると、日本に過活動膀胱の潜在患者は830万人いると推定されていて、40歳以上の12%にもなります。過活動膀胱では、膀胱の筋肉の緊張をほぐし、収縮を抑えて尿もれを改善する抗コリン薬が使われていて、80%の患者さんに改善がみられています。
 近頃テレビのCMなどでよく見かける頻尿の薬には生薬をベースにしているものも多く、体力の低下や冷えに対する漢方薬の効能が改めて評価されている結果だと思います。

■鍼灸治療
 何らかの病気があったり、過活動膀胱を除くと頻尿の原因は体力の低下と自律神経のバランスを崩してしまったための冷えだと考えてよいでしょう。だからこそ市販の薬にも生薬が使われているのです。今までのコラムで書いてきたように、鍼灸治療は血液循環を改善して自律神経を調整したり、身体を温める作用により頻尿を治すことができると考えられます。
 ストレスが頻尿の原因になることはみなさんも経験上お分かりだと思います。緊張する場面に出くわしたときなどにおしっこがしたくなって困った経験のある人も多いでしょう。日常生活で過剰なストレスが続くと交感神経が緊張状態になってしまいおしっこが近くなることもあります。1日の中のどこかにリラックスタイムを作ることだけでも軽い頻尿なら治ってしまうかもしれません。また、週1回程度ゆったりした気分で鍼灸治療を受けることができれば心も身体もとても楽になるでしょう。
 当治療院ではアイソトニックサウンドやリラシックサウンド、オルゴールや自然音などリラクシングミュージックをBGMに使うことで患者さんができるだけリラックスした状態で治療を受けられるように心がけています。

■尿失禁
 頻尿はしばしば尿失禁を伴います。脳脊髄の異常に起因するものや細菌感染の場合には医療機関による治療が求められますが、潜在患者が830万人もいると推定されている過活動膀胱や、女性の2000万人が悩まされている腹圧性尿失禁には骨盤底筋体操が絶大な効果を発揮します。
 [骨盤底筋体操]
 膣や肛門を締めたり緩めたりを繰り返すことにより、自分で意識しなくても、尿道や他の骨盤底筋群も一緒に締まり、下腹部、股間、肛門の一帯にひろがる筋肉を強くします。 余分な力を抜いて、股間を身体の中へ吸い上げるような感じで膣と肛門を締め、5秒くらい締めたら次は緩めます。これを数分間(できれば10分くらい)続けて行います。締めるコツをマスターすればいつでもどこでもできるので気づいたときに行うようにしましょう。女性は出産などでどうしても骨盤底筋群が弱くなってしまいます。骨盤底筋群を強くして薬や尿漏れパンツと「さよなら」しましょう!

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