ここが知りたい健康情報   「ぎっくり腰」 ぎっくりごし 
ぎっくり腰 ぎっくりごし 
 ぎっくり腰はドイツ語で「魔女の一撃」と言われるほど激しい痛みを引き起こします。立つことや歩くことはおろか、寝返りもできなくなります。

■ぎっくり腰の原因
 中腰で重い物を持ち上げようとしたとき、腰をひねったとき、せきやくしゃみなどで、突然激しい腰の痛みにおそわれることを、ぎっくり腰(急性腰痛症)と言います。原因は腰や骨盤の筋肉、筋膜、靭帯、軟骨の損傷で、ようするに腰の捻挫です。痛めやすい場所としては、仙腸関節と腰椎の損傷で、前者は臀部、後者は腰の中心部が痛みます。どちらにしても、太ももから脚にかけて痛みが走り、歩けなくなることがあります(坐骨神経痛の項参照)

■ぎっくり腰の対処法
 とにかく安静にします。仰向けでも横向きでもかまいません。基本的に自分が楽だと思う姿勢でよいでしょう。横向きの場合には、膝を曲げて背中を少し丸めます。クッションなどを抱えると自然に丸まった姿勢に慣れるでしょう。仰向けの場合には、クッションを膝の下にはさむと楽に膝を曲げることができます。また、おしりが沈むような柔らかいベッドは避け、せんべい布団のような固めの寝具を選びます。数日は絶対安静です。この「数日の安静」が後の予後に大きく影響するのです。発症直後、特に腫れや熱感が強い場合には氷や例シップで冷やします。
 少し楽になって歩けるようになったら、コルセットで腰を支えます。コルセットを長い間着けると腰の筋肉が衰えてしまうという恐れはありますが、あまり早くはずしてしまい、再び痛みがぶり返してしまうこともあります。1日の中でコルセットの装着時間を少しずつ短くしていくようにすればよいでしょう。

■ぎっくり腰の治療
 タクシーなどでやっとの思いで整形外科などへ行っても、大してできることはありません。消炎鎮痛剤とシップ薬を処方されるだけです。ひどい場合には緊急入院することもありますが、ただ仰向けに固定されるだけのようです。

■ぎっくり腰の鍼治療

 ぎっくり腰直後はマッサージはできません。マッサージを行うとすれば氷によるアイスマッサージをすべきです。たまに発症直後に整体などでマッサージを受け、余計に痛みと炎症が強くなってから来院される患者さんがおられます。とにかく発症直後のマッサージや運動療法は禁忌です。
 ぎっくり腰の患者さんの多くは何度も繰り返して発症しています。背中や腰部は内臓と深く関係しており、ぎっくり腰の本当の原因を見つけるためにも脈診で12経絡の虚実を見分ける必要があります。そのうえで刺鍼することで根本原因を取り去ることは、以後の発症を予防することにもつながります。次に、素早く痛みと炎症を和らげるためにトリガーポイント(筋緊張点)への刺鍼を行います。これだけの治療で担ぎ込まれて来院された患者さんも帰りにはかなり楽に歩けるようになりびっくりしておられます。数日は通院していただきますが、鍼の即効性に驚くばかりです。患者さんからの感謝の言葉が聞けるのはこんなときですし、鍼灸を職業に選んでよかったと思えるのもこのようなときです。なお、整形外科ではいつまでも冷シップを処方するようですが、病気でも怪我でも治るためには血液循環を良くして組織の再生を図る必要があります。腫れが引いたらカイロや温シップで温めるほうがよいでしょう。


■ぎっくり腰の予防
 ぎっくり腰は骨盤を支える筋肉が弱くなって起こります。1度ぎっくり腰を起こすと、また起きたらとの恐れから運動を控える人が多いようですが、脊柱起立筋、腹直筋、大腿四頭筋などをしっかり鍛えることが最大の予防です。毎日少しでも腹筋運動や、背筋運動、膝の曲げ伸ばしなどをして、再びぎっくり腰にならないよう予防しましょう。そして、重いものを持ち上げるときには、かがんで行うのではなく、膝を曲げて持ち上げるようにすることが大切です。
 痛みが軽減したら、体操を始めましょう。まずは腹筋運動です。膝を立ててお腹を見るように肩が少し浮くくらいでよいでしょう。次にやはり膝を立てたままおしりを持ち上げる運動です。いずれも無理をせずに少しずつ回数を増やしていきましょう。

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