ここが知りたい健康情報   「月経困難症(生理痛)」 げっけいこんなんしょう 
月経困難症(生理痛) げっけいこんなんしょう 

 80パーセント以上の女性が月経時に下腹部痛や腰痛など何らかの不快感を経験しているといわれていますが、時にその痛みが耐えがたいほどだったり、悪心、嘔吐、下痢、頭痛などのために日常生活に支障をきたし、何らかの治療を必要とすることもあり、それを月経困難症といいます。
 これに対し、月経の前になると体がむくんだり、イライラや眠気に悩まされる症状を、「月経前緊張症」と呼びます。

■月経困難症の原因は?
 月経時の疼痛は子宮を構成する筋肉組織すなわち子宮筋の収縮によるものと考えられています。この収縮に関与しているのがプロスタグランジンで、本来出産のとき陣痛を起こす物質で、子宮以外の臓器、たとえば胃腸や血管にも作用します。月経血中へのプロスタグランジンの放出は月経開始から48時間の間に起こると言われており、月経困難症の症状が最も強い時期に合致します。頭痛や発熱、のぼせやめまい、下痢や便秘などの全身症状が起こるのは、このプロスタグランジンとその代謝物質が全身の血管に流れ込むことで胃腸や血管の収縮が起きることが原因で、その結果として自律神経系のバランスも崩してしまうものと考えられます。

 月経困難症は、機能性と器質性に大別されます。
 器質性月経困難症としては、子宮筋腫、(内性および外性)子宮内膜症(エンドメトリオーシス)、子宮腺筋症あるいは骨盤内炎症、卵巣子宮内膜症、骨盤内炎症による癒着性付属器炎、癒着性骨盤腹膜炎、子宮奇形などが挙げられます。月経痛の原因をきちんと把握するためにも、血液検査や腹腔鏡、超音波検査、CT、MRIなどの画像診断を受けておくほうがよいでしょう。

■月経困難症に対する鍼灸治療
 鍼灸治療の適応になるのは機能性月経困難症です。 これは若い人に多く、原発性月経困難症と言われ、月経困難症のほとんどはこの機能性です。 東洋医学では月経痛を「痛経」といい、現代医学とは異なる独特の視点で捉えています。その病因としては、冷え、精神的ストレス、先天的な生きるための動力不足が考えられます。つまり、自律神経機能やホルモン分泌機能のアンバランスを改善し、冷えを取り去ることを目的とした治療となります。 鍼灸治療は1時間ほどかけてゆっくり行われますので、患者さんとお話しながらカウンセリングも同時に行うことが可能です。 
 ツボは、下腹部や腰部、手足から適宜選びます。 代表的なツボとしては、三陰交(さんいんこう)、足三里(あしさんり)、腎兪(じんゆ)、百会(ひゃくえ)、合谷(ごうこく )、関元(かんげん)、気海(きかい)などですが、元気を補うことを目的に脈診をしながら経絡治療を行います。当院には私が女性鍼灸師ということもあり、月経困難症の患者さんが多いように思われます。鍼灸をして最初の月経時には、黒っぽい経血が出ることがあります。これは「汚血」が体外に排泄されているもので、その後生理痛が楽になるケースが多いようです。
 鍼灸治療の対象になるのは機能性の月経困難症だと書きましたが、器質性月経困難症の患者さんでも病気そのものを西洋医学で治療しながら、生理痛やその他の不快感を少しでも和らげたいと当治療院に来院されるケースもかなりあります。

 近頃の女性は「冷え」に悩まされています。冷えは月経困難症の原因になるばかりではなく、昔から身体を冷やすことが万病の原因と言われているのです。クーラーを控えめにしたり、ガードルなどで下腹部を締め付けすぎないように気をつけましょう。「冷え性」の項を参考にして、冷えない身体作りをすることが大切です。

 当院は女性の立場で診察し、治療を行っています。いろいろなおしゃべりの中で女性だからこそ分かり合えることもたくさんあると思います。リラックスして受ける鍼治療はとても気持ちの良いものです。また、当治療院ではアイソトニックサウンドやリラシックサウンド、オルゴールや自然音などリラクシングミュージックをBGMに使うことで患者さんができるだけリラックスした状態で治療を受けられるように心がけています。一人で悩まないでぜひ一度ご相談ください。

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