ここが知りたい健康情報   「円形脱毛症」 えんけいだつもうしょう 
円形脱毛症 えんけいだつもうしょう 
 円形脱毛症とは、突然、円形または楕円形の脱毛斑が発生し、それが拡大していく病気です。円形脱毛症で死ぬことはもちろん考えられませんが、このまま生えてこなかったらどうしようなどと思うと、落ち込んでしまい、うつ病になってしまうこともあります。大きさはさまざまで、爪ほどの大きさから手のひら大まで、1箇所だけでいつの間にか治ってしまうものから、多発性といって、3〜4箇所同時にできて融合する場合には、全頭脱毛、あるいは、全身脱毛になってしまい、治癒が困難になります。

■原因
 以前はストレスが大きな原因とされていましたが、最近ではアトピー性皮膚炎やリウマチなどと同じく、自己免疫疾患ではないかと言われるようになりました。不思議なことですが、毛根細胞を異物と誤認して破壊してしまうわけです。その他、末梢神経異常説、大脳皮質の活動傷害との関連、強いストレス、内分泌機能障害などの幾つかの要因が重なって起こると考えられています。

■毛髪の知識
 毛髪は、目に見える毛幹と、毛根に分かれます。毛根の下部には生きた毛球があり、毛球は卵型に膨らんで底の部分から内部に窪んでおり、毛の成長に大切な毛乳頭が入り込み、毛球下部の毛母細胞と色素細胞と接しています。毛母細胞は毛乳頭にきている毛細血管から栄養を受け、分裂を繰り返して毛幹部をつくるのです。また、 毛根下部の毛球の中の毛をつくる毛母細胞のところには、毛髪に色をつける色素細胞が共存していて、色素細胞ではチロシンというアミノ酸を酸化させて、メラニンという色素を造っています。メラニンはたんぱく質と合体してメラニンプロテインという物質になります。色素細胞でつくられたメラニンプロテインが毛母細胞の中に送り込まれ定着し、毛母細胞はメラニンプロテインを持って分裂・成長して表皮まで出てくるのです。ようするにこの毛球細胞を元気にすることができれば、円形脱毛症を治すことができるはずです。

■鍼治療
 まず、頭部の血液循環を促し、毛根に栄養を与え、毛球細胞を活発化し、その数を増やす治療を行います。東洋医学では昔から血熱、お血、気血両虚、肝腎陰虚など、円形脱毛症に関する記載があります。脈診により証を決定し、全身治療を行うこと。つまり、12経絡の虚実を正しく判断し調節することで西洋医学的には自律神経・ホルモン・免疫機構に働きかけて身体全体のバランスをとる治療を行うわけです。また、東部の鍼とマッサージにより毛根の血液循環を促すことで毛球細胞を元気にします。その後全身治療によりリラックスしてストレスが解消されれば、気づいたら円形脱毛症のことなどすっかり過去になっているでしょう!
 つい最近も肩こりで来院していた患者さんから嬉しい報告をいただきました。週1回の治療を続けていたのですが、気づいたら前から気になっていた円形脱毛が治ってしまったというのです。この患者さんの場合、円形脱毛のことは知らされてなかったので特に頭には何も治療らしきことはしていませんでした。肩こりの治療をしているうちに自律神経が調整され、全身の血液循環が良くなることで結果として治ってしまったのでしょう。諦めずに根気よく続けること、これこそ治癒への近道なのです。

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