ここが知りたい健康情報   「デトックス」 でとっくす 
デトックス でとっくす 
 このごろ、雑誌やインターネットなどで「デトックス」という単語が飛び交うようになりました。デトックス効果のあるサプリメントや腸内洗浄、岩盤浴やゲルマニウム温浴など、たくさんのデトックス商品が開発されています。その商品説明などを読むと、デトックスをしないと有害物質に汚染されてしまい、ガンに罹ったり、早く老化してしまったりするのではとの恐怖にとらわれてしまいそうです。

■デトックスとは?
 デトックスとは、英語で「detox」と表記され、解毒を意味します。人体に悪影響を及ぼす化学物質(有害な重金属や合成化合物)や活性酸素などを体外に排泄させようとする療法です。これらの有害な物質の多くが脂肪に蓄積されることから、デトックスとダイエットを結びつけ、一大産業を産み出しています。しかし、デトックスは決して新しい考え方ではありません。インドの伝統医療であるアーユルヴェーダでは、食べ物によって元気の源であるオージャスを生成し、アーマという毒素が身体に溜まると、ドーシャが乱れて病気になるとされています。そしてまた、東洋医学にもデトックスの考え方が基本に流れているのです。

■東洋医学とデトックス
 東洋医学にはもともと、正気と邪気という考え方があります。邪気が進入してきても、正気が旺盛なら病気には罹らないのです。邪気には、自然環境に起因する外邪「風・寒・暑・湿・燥・火」の六つと、内なる邪気「喜・怒・優・思・悲・恐・驚」の七つと、そのどちらにも属さない「不内外因(飲食の不摂生)」の三つがあるとされています。そしてこれらは全てそれぞれ特定の臓腑と関連付けられるとされているのです。漢方薬や鍼灸は、正気を旺盛にし、邪気を払う治療法だといえるでしょう。
 人間はもともと、ちゃんとデトックスできる力を持っています。肝臓で解毒し、心臓や肺臓は1日中血液を綺麗にし、腎臓は絶え間なく尿を作り、腸は栄養を吸収した後にいらないものを便として排泄します。ようするに、五臓六腑がきちんとその機能を果たすことができればデトックスは自然に行われるはずです。

■デトックスに対する当治療院の取り組み
 上にも述べましたが、東洋医学ではもともと「邪気」を払い、「正気」を充実させることが治療の目的です。患者さんの状態にもよりますが、まず、東洋医学的診察、特に、脈診をして、陰陽の虚実、五臓六腑の虚実のバランスを診させていただきます。つまり、足りないときにはそれを補い、多すぎるときには取り去る治療を行います。このバランスこそが健康な身体の基本であり、自然治癒力もそこから発揮されるはずです。
 次に問題になるのが便秘です。毒素の75%が便として体外に出て行くといわれています。便秘が続くと汗として毒素を排出しようとしてしまい、肌荒れの原因になります。鍼灸は便秘に対して大きな効果を発揮します。(便秘の項参照)岩盤浴やゲルマニウム温浴で汗をかくのはとても気持ちの良いものです。細胞を活性化させるサプリメントにも、アンチエージング効果が期待できるかもしれません。でも、本当にデトックスを考えるのであれば、まずは便秘を解消することが先決だといえるでしょう。しかしここで気をつけなければいけないのが腸内洗浄です。腸内洗浄を行えば確かに一時的に腸の中は綺麗になります。しかし、毎日腸内洗浄を行うことには問題がありますし、本来便は定期的に自分で排泄するのが望ましいはずです。「便秘しない身体作り」をすることこそ正しいデトックスといえるでしょう。

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