ここが知りたい健康情報   「手根管症候群」
手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん Carpal tunnel syndrome CTS)
 手指に痛みや痺れがある場合、もしかしてリウマチかしら?とか、腱鞘炎かしら?などと考える人が多いと思います。たいていの人はしばらく様子をみた後に我慢できなくなって整形外科を受診することになるでしょう。そして「手根管症候群」という聞きなれない病名を告げられるかもしれません。日本ではあまり聞かれない病名ですが、アメリカでは(carpal tunnel syndrome CTS)と表記され、ごく一般的な病名です。
 手根管症候群とは
 手のひらの付け根にある手根管というトンネルの中には、親指・人差し指・中指・薬指の半分の知覚と、親指の付け根の筋肉を支配する正中神経と、屈筋腱を動かす9本の腱が通っています。この正中神経が何らかの原因により傷害されると痛みや痺れが現れます。これを「手根管症候群」と言います。

■原因
手根管の内容物の体積の増加 はっきりした原因は分かりませんが、妊娠や更年期の女性に多いことから、ホルモンの乱れにより手根管を通る屈筋腱の周りの腱鞘が腫れることで内圧が高まり正中神経が圧迫される。家事や仕事、スポーツなどによる手の使いすぎによる屈筋腱の周りの腱鞘炎による正中神経の圧迫。怪我によるむくみでの正中神経の圧迫。血液透析によるアミロイドが靭帯や腱に沈着することにより内圧が上がる。ガングリオンによる圧迫などが考えられます。
手根管そのものの狭さく 手首の骨折や脱臼、加齢による変形性関節炎により手根管が狭くなって起こります。まれに生まれつき手根管の狭い人も存在するようです。
神経が傷つきやすい 正中神経の感受性が何らかの理由で高まることで傷つきやすくなります。糖尿病や甲状腺の病気、妊娠・出産・更年期障害などでも神経の感受性が高まり、ちょっとした圧迫で正中神経が傷つきます。
その他 原因不明の特発性手根管症候群もあります。

■症状
手根管症候群は圧倒的に女性に多く、患者数は男性の5倍ほどです。
痺れや痛み 親指・人差し指・中指・薬指の中指側の痺れや痛みが起こり、いずれも手のひら側です。また、夜間痛に悩まされることも多く、手を振ったり曲げ伸ばしをすることで痛みが和らぎます。その他、手指の感覚が無くなったり、こわばりを感じることもあります。
病気が慢性化するにしたがい、痛みは少なくなり痺れが残ります。
親指の付け根の筋肉の萎縮 進行すると親指の筋肉が萎縮してしまい、親指と人差し指できれいな丸が作れなくなるために細かい作業がしずらくなります。

■診断
 手のひら側の親指から薬指の中指側半分の痺れ、親指の付け根の筋肉の萎縮があればほぼ手根管症候群と診断がつきます。その他チネル徴候(手のひらの付け根を叩いて痛みや痺れが指先に響くかどうか)、ファーレンテスト(両手の甲をくっつけて痛みや痺れが悪化するか)、その他確定診断のために電気生理学的検査を行うこともあります。

■治療
安静を保つ 腱鞘炎などと同様に手の使いすぎに気をつけます。添え木やサポーターなどで固定するとよいでしょう。また、手の末梢血管のうっ血を防ぐ目的で意識的に手を上に挙げるようにすると楽になります。
薬物療法 消炎鎮痛薬やビタミン剤の服用、手根管内へのステロイド注射。
手術 上に挙げた治療で効果が見られない場合には手術を行います。内視鏡によるものと、直接皮膚を切開して行うものがありますが、どちらも傷跡はほとんど残りません。

■鍼治療
 手根管症候群には鍼やマッサージが効果を発揮します。原因がホルモンの乱れであれば全身調整を目的として行う脈診による治療が効果を発揮することが期待できます。原因が手の使いすぎであれば、肩から腕、前腕から指にかけての鍼、丁寧なマッサージで驚くほど楽になります。また発赤や痛みを取り去るために、皮膚鍼(皮膚を鍼でちょんちょんとつつく手法)や刺絡鍼(三稜鍼という特殊鍼を使って瀉血(しゃけつ)させる治療法)を行うことも有効です。
 ただし、親指側の筋肉の萎縮の程度がひどかったり、痛みや知覚障害がひどい場合には、手の切開手術を考えてあげることも治療者としては必要だと思っております。

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