ここが知りたい健康情報   「コロナ後遺症」 ころなこういしょう
コロナ後遺症 ころなこういしょう
 WHO=世界保健機関は10日、今月7日までの1週間の新型コロナウイルスの新規感染者数をまとめ、日本は149万人あまりと3週連続で世界で最も多くなりました。また、同じ期間の日本の1週間の死者の数は1002人と、前の週と比べて53%増え、アメリカやブラジル、イタリアに次いで世界で4番目に多くなっています。
こうしたなか、問題になっているのが「コロナの後遺症」です。 オランダの研究では患者の8人に1人が、感染後3カ月から5カ月の間に後遺症がみられるということが新たに分かりました。症状は倦怠感、頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害、「頭にモヤ(霧)がかかった状態」のブレインフォグなど様々で、特に問題になっているのがブレインフォグです。
このようにコロナ後遺症には様々な症状がみられます。西洋医学の場合、症状に応じた対症療法が行われるのが一般的です。
西洋医学で私が注目しているのはBスポット療法です。Bスポットとは鼻の奥、口から見ると口蓋垂の裏側にあり、医学的には上咽頭(鼻咽腔)と言うところで、この場所は鼻を通った空気が一番始めに当たって方向転換する部分で、吸気中の塵やばい菌がたまりやすく、たびたび炎症を起こすことが多いところです。風邪の引き始めはほとんどこのBスポットからなのです。
コロナ後遺症の鍼治療
今までにもたびたび書いてまいりましたが、鍼灸治療は身体全体をトータルで考える治療です。コロナ後遺症の症状は多岐にわたります。後遺症がなぜ起こるかについてはよくわかっていません。しかし、身体全体のバランスが崩れていると考えることができるでしょう。今まで経験したことのないウイルスによって、免疫システムも混乱しているのだと思います。ようするにどうしたらよいのかがわからなくなっているのです。
 鍼灸はみなさんご存知のように東洋医学です。
東洋医学では自然を大宇宙と考え、人間を、こころとからだで形づくられた小宇宙と考えます。
この小宇宙(身体)を流れる「気」「血」「水」によって人間は生かされているのです。
そしてこの「気」「血」「水」のバランスがくずれた時、病気になると考えるのが、東洋医学の疾病感です。
 鍼灸はそのバランスを調整し、人間が本来持っている自然治癒力に働きかけて病気を治そうとする治療法です。
鍼灸の治療の基本は経絡と経穴(ツボ)です。経穴(ツボ)は、長い歴史の上で経験的に見つけられた特別に治療効果のある体表上のポイントで、全身には365の代表的な経穴があります。
 問診、望診・聞診・接診(脈診)などの東洋医学的な診断により証を決定し、経穴に対して適切な刺激を与えることで、経絡を解して全身を調節することができるのです。
 鍼灸には免疫力を調整する力があるのです。免疫力はただ高ければ良いというものではありません。必要な時に適切に発揮されてこそ病気を治すことができるのです。新型コロナウイルスで死亡してしまった患者さんで起きていたのが「サイトカインストーム」です。これは免疫が暴走してしまった結果なのです。
動物実験によると、適切な鍼灸刺激により白血球(顆粒球・リンパ球・マクロファージ)量が増加し、白血球細胞の動きが活発になり、貪食殺菌作用が強くなることも証明されています。また、アレルギー疾患などの自己免疫疾患に対しては、鍼灸治療でコリンエステラーゼを増加させられることも分かっています。コリンエステラーゼはアセチルコリンを分解する酵素で、アセチルコリンが多くなりすぎることがアレルギーの原因とされているのです。したがって免疫の暴走を食い止める力があると考えられるのです。
新型コロナウイルスにり患し、療養機関が終わったのちに頭痛、咳、呼吸困難、関節痛・筋肉痛、不眠、乾燥肌、脱毛、嗅覚・味覚障害、ブレインフォグなどの症状がある場合、鍼灸治療を試してみることはとても有益だと考えられます。

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